税理士・会計士・日商1級 絶対落とせない財表理論45ー第43回 概念FW③


村上翔一(敬愛大学准教授)

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問題

投資家による企業成果の予測や企業評価のために、将来キャッシュフローの予測に役立つという会計情報の特質を( ア )と呼ぶ。( ア )は、( イ )と( ウ )という2つの下位特性に支えられる。( イ )とは、企業価値の推定を通じた投資家による意思決定に積極的な影響を与えて貢献することを指し、これは( エ )と( オ )によって支えられる。( ウ )とは、会計情報が信頼に足る情報であることを指し、これは( カ )、( キ )、( ク )によって支えらえる。

解答・解説

ア 意思決定有用性
イ 意思決定との関連性
ウ 信頼性
エ・オ 情報価値の存在、情報ニーズの充足(順不同)
カ・キ・ク 中立性、検証可能性、表現の忠実性(順不同)

討議資料 財務会計の概念フレームワーク、第2章pars.1-7
情報価値とは、投資家の予測や行動が当該情報の入手によって改善されることを指すが、基準設定時には新たな会計基準に基づく会計情報の情報価値は不確かな場合も多いため、その場合には、投資家による情報ニーズの存在が、情報価値を期待させる(討議資料 財務会計の概念フレームワーク、第2章par.4)。
一部の関係者の利害だけに偏重しないことを指す中立性、測定者の主観に左右されない事実に基づくことを指す検証可能性、事実を会計上の分類項目に明確に対応させることを指す表現の忠実性が信頼性を支える(討議資料 財務会計の概念フレームワーク、第2章par.7)。

◎復習しましょう!(バックナンバー)
第1回 棚卸資産①
第2回 棚卸資産②
第3回 棚卸資産③
第4回 棚卸資産④
第5回 棚卸資産⑤
第6回 有価証券①
第7回 有価証券②
第8回 有価証券③
第9回 有価証券④
第10回 有価証券⑤
第11回 有形固定資産①
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第36回 収益認識①
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第39回 収益認識④
第40回 収益認識⑤
第41回 概念FW①
第42回 概念FW②

【執筆者紹介】
村上 翔一
(むらかみ しょういち)
明治大学大学院経営学研究科博士後期課程修了(博士(経営学))。明治大学専門職大学院会計専門職研究科教育補助講師、敬愛大学専任講師を経て現在敬愛大学経済学部准教授。
<主な論文>
「保有者における電子マネーの会計処理」『簿記研究』(日本簿記学会)第2巻第1号、2019年(日本簿記学会奨励賞)
「ICOに関する会計処理」『敬愛大学研究論集』第98号、2020年
「ブロックチェーン技術の進展と簿記」『AI時代に複式簿記は終焉するか』(岩崎勇編著)、税務経理協会、2021年
「コンセンサス・アルゴリズムの観点に基づく暗号資産の会計処理―マイニング、ステーキング、ハーベスティングの理解を通じて―」『敬愛大学研究論集』第100号、2021年 他

*本連載は、「会計人コース」2019年11月号「特集:勉強したくなる「習慣化」のススメ 7日間理論ドリル」を大幅に加筆修正したものです。


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