税理士・会計士・日商1級 絶対落とせない財表理論45ー第33回 連結会計③


村上翔一(敬愛大学准教授)

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問題

連結財務諸表作成において、企業が遵守すべき一般的な規範として、4つの一般原則が存在する。1つめは( ア )の原則であり、連結財務諸表は、企業集団の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に関して真実な報告を提供するものでなければならないとする。2つめは( イ )の原則であり、連結財務諸表は、企業集団の属する親会社及び子会社が一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠して作成した個別財務諸表を基礎として作成しなければならないとする。3つめは( ウ )の原則であり、連結財務諸表は、企業集団の状況に関する判断を誤らせないよう、利害関係者に対し必要な財務情報を明瞭に表示するものでなければならないとする。4つめは( エ )の原則であり、連結財務諸表作成のために採用した基準及び手続は、毎期継続して適用し、みだりにこれを変更してはならないとする。

解答・解説

ア 真実性
イ 個別財務諸表基準性(基準性)
ウ 明瞭性
エ 継続性

連結財務諸表原則、第二
連結財務諸表に関する会計基準(企業会計基準第22号)、pars.9-12
真実性の原則の真実は相対的真実を指し、元となる個別財務諸表の作成において主観的判断が介入すること、連結財務諸表作成の基礎となる会計帳簿が存在しないこと、子会社の資産・負債を時価で評価することから主観的にならざるをえないこと、から絶対的真実ではないと解されている。

◎復習しましょう!(バックナンバー)
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第2回 棚卸資産②
第3回 棚卸資産③
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第6回 有価証券①
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【執筆者紹介】
村上 翔一
(むらかみ しょういち)
明治大学大学院経営学研究科博士後期課程修了(博士(経営学))。明治大学専門職大学院会計専門職研究科教育補助講師、敬愛大学専任講師を経て現在敬愛大学経済学部准教授。
<主な論文>
「保有者における電子マネーの会計処理」『簿記研究』(日本簿記学会)第2巻第1号、2019年(日本簿記学会奨励賞)
「ICOに関する会計処理」『敬愛大学研究論集』第98号、2020年
「ブロックチェーン技術の進展と簿記」『AI時代に複式簿記は終焉するか』(岩崎勇編著)、税務経理協会、2021年
「コンセンサス・アルゴリズムの観点に基づく暗号資産の会計処理―マイニング、ステーキング、ハーベスティングの理解を通じて―」『敬愛大学研究論集』第100号、2021年 他

*本連載は、「会計人コース」2019年11月号「特集:勉強したくなる「習慣化」のススメ 7日間理論ドリル」を大幅に加筆修正したものです。


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