村上翔一(敬愛大学准教授)
☆連載のねらいとスケジュールはこちら!
問題
残存価額とは、有形固定資産の耐用年数到来時において予想される当該資産の売却価格又は利用価格である。この場合、( ア )等のために費用を要するときには、これを売却価格又は利用価格から控除した額をもって残存価額とする。なお、当該( ア )が法律上の義務に基づく場合など、( イ )に該当する場合には、債務として負担している金額が合理的に見積られることを条件に、( イ )の全額を負債として計上し、同額を有形固定資産の取得原価に反映させる処理を行う。
解答・解説
ア 解体、撤去、処分
イ 資産除去債務
連続意見書第三、第一・四
資産除去債務に関する会計基準(企業会計基準第18号)、pars.31-32
減価償却計算の要素である残存価額には、解体、撤去、処分等のための費用を反映させる。この時、残存価額がマイナスになる場合が存在し、これに対して引当金処理、資産負債両建処理が提案された(資産除去債務に関する会計基準、pars.31-34)。
◎復習しましょう!(バックナンバー)
第1回 棚卸資産①
第2回 棚卸資産②
第3回 棚卸資産③
第4回 棚卸資産④
第5回 棚卸資産⑤
第6回 有価証券①
第7回 有価証券②
第8回 有価証券③
第9回 有価証券④
第10回 有価証券⑤
第11回 有形固定資産①
第12回 有形固定資産②
第13回 有形固定資産③
【執筆者紹介】
村上 翔一(むらかみ しょういち)
明治大学大学院経営学研究科博士後期課程修了(博士(経営学))。明治大学専門職大学院会計専門職研究科教育補助講師、敬愛大学専任講師を経て現在敬愛大学経済学部准教授。
<主な論文>
「保有者における電子マネーの会計処理」『簿記研究』(日本簿記学会)第2巻第1号、2019年(日本簿記学会奨励賞)
「ICOに関する会計処理」『敬愛大学研究論集』第98号、2020年
「ブロックチェーン技術の進展と簿記」『AI時代に複式簿記は終焉するか』(岩崎勇編著)、税務経理協会、2021年
「コンセンサス・アルゴリズムの観点に基づく暗号資産の会計処理―マイニング、ステーキング、ハーベスティングの理解を通じて―」『敬愛大学研究論集』第100号、2021年 他
*本連載は、「会計人コース」2019年11月号「特集:勉強したくなる「習慣化」のススメ 7日間理論ドリル」を大幅に加筆修正したものです。