村上翔一(敬愛大学准教授)
☆連載のねらいとスケジュールはこちら!
問題
他の企業の財務及び営業又は事業の方針を決定する機関を( ア )されている場合における企業を子会社と呼び、子会社以外の他の企業の財務及び営業又は事業の方針の決定に対して重要な( イ )を与えることができる場合における当該子会社以外の他の企業を関連会社と呼ぶ。これら子会社及び関連会社に対する株式は、( ウ )と同じく時価の変動を財務活動の成果とは捉えないという考え方から、取得原価をもって貸借対照表価額とする。
解答・解説
ア 支配
イ 影響
ウ 事業投資
金融商品に関する会計基準(企業会計基準第10号)、pars.17、73-74
持分法に関する会計基準(企業会計基準第16号)、par.5
連結財務諸表に関する会計基準(企業会計基準第22号)、par.6
子会社株式及び関連会社株式であっても、時価が著しく下落したときは、回復する見込があると認められる場合を除き、時価をもって貸借対照表価額とし、評価差額は当期の損失として処理しなければならない(金融商品に関する会計基準、par.20)。有価証券の時価が取得原価に比べて50%程度以上下落した場合には、この場合の「著しく下落した」ときに該当する(金融商品会計に関する実務指針、par.91)。
◎復習しましょう!(バックナンバー)
第1回 棚卸資産①
第2回 棚卸資産②
第3回 棚卸資産③
第4回 棚卸資産④
第5回 棚卸資産⑤
第6回 有価証券①
第7回 有価証券②
第8回 有価証券③
【執筆者紹介】
村上 翔一(むらかみ しょういち)
明治大学大学院経営学研究科博士後期課程修了(博士(経営学))。明治大学専門職大学院会計専門職研究科教育補助講師、敬愛大学専任講師を経て現在敬愛大学経済学部准教授。
<主な論文>
「保有者における電子マネーの会計処理」『簿記研究』(日本簿記学会)第2巻第1号、2019年(日本簿記学会奨励賞)
「ICOに関する会計処理」『敬愛大学研究論集』第98号、2020年
「ブロックチェーン技術の進展と簿記」『AI時代に複式簿記は終焉するか』(岩崎勇編著)、税務経理協会、2021年
「コンセンサス・アルゴリズムの観点に基づく暗号資産の会計処理―マイニング、ステーキング、ハーベスティングの理解を通じて―」『敬愛大学研究論集』第100号、2021年 他
*本連載は、会計人コース2019年11月号「特集:勉強したくなる「習慣化」のススメ 7日間理論ドリル」を大幅に加筆修正したものです。