村上翔一(敬愛大学准教授)
☆連載のねらいとスケジュールはこちら!
問題
期中の払出数量と払出単価の計算の結果、期末に保有する棚卸資産の数量と金額が把握されることになるが、物理的な劣化である( ア )、経済的な劣化である( イ )や( ウ )によって、販売目的で保有する棚卸資産の時価が取得原価よりも下落している場合がある。この場合、資産の( エ )が低下したものとみなして、帳簿価額を時価にまで切り下げる。これは、棚卸資産の帳簿価額として将来の収益獲得に有用な原価のみを繰り越し、( オ )を反映させるために行われる。この場合の時価には( カ )が用いられる。
解答・解説
ア 品質低下
イ 陳腐化
ウ 市場の需給の変化
エ 収益性
オ 回収可能性
カ 正味売却価額
棚卸資産の評価に関する会計基準(企業会計基準第9号)、pars.36-39
従来、市場の需給の変化による評価損の計上は容認であったが、現在では回収可能性の反映から評価損の計上は強制となっている。
◎復習しましょう!(バックナンバー)
第1回 棚卸資産①
第2回 棚卸資産②
第3回 棚卸資産③
第4回 棚卸資産④
【執筆者紹介】
村上 翔一(むらかみ しょういち)
明治大学大学院経営学研究科博士後期課程修了(博士(経営学))。明治大学専門職大学院会計専門職研究科教育補助講師、敬愛大学専任講師を経て現在敬愛大学経済学部准教授。
<主な論文>
「保有者における電子マネーの会計処理」『簿記研究』(日本簿記学会)第2巻第1号、2019年(日本簿記学会奨励賞)
「ICOに関する会計処理」『敬愛大学研究論集』第98号、2020年
「ブロックチェーン技術の進展と簿記」『AI時代に複式簿記は終焉するか』(岩崎勇編著)、税務経理協会、2021年
「コンセンサス・アルゴリズムの観点に基づく暗号資産の会計処理―マイニング、ステーキング、ハーベスティングの理解を通じて―」『敬愛大学研究論集』第100号、2021年 他
*本連載は、会計人コース2019年11月号「特集:勉強したくなる「習慣化」のススメ 7日間理論ドリル」を大幅に加筆修正したものです。