連載 『会計士・税理士・簿記検定 財務会計のセンスが身につくプチドリル』(第147回)ー 準備金の減少④


長島 正浩(茨城キリスト教大学教授)

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問題

なぜ資本剰余金と利益剰余金を混同してはならないか?

解答・解説

従来,資本性の剰余金と利益性の剰余金は,払込資本と払込資本を利用して得られた成果を区分する考えから,原則的に混同しないようにされてきたが,会社法においては,資本金及び資本準備金の額の減少によって生ずる剰余金は分配可能額に含まれることとなる。ここで,資本金及び資本準備金の額の減少によって生ずる剰余金を利益性の剰余金へ振り替えることを無制限に認めると,払込資本と払込資本を利用して得られた成果を区分することが困難になり,また,資本金及び資本準備金の額の減少によって生ずる剰余金をその他資本剰余金に区分する意味がなくなるから。

*自己株式会計基準60項
『純粋できれいな真水と泥にまみれた塩分含む海水は混ぜたくないよ!』

◎復習しましょう!
1.CF計算書
2.一株当たり当期純利益
3₋1.金融商品会計①‐⑦
3₋2.金融商品会計⑧‐⑭
3‐3.金融商品会計⑮‐⑳
4-1.棚卸資産会計①‐⑥
4-2. 棚卸資産会計⑦‐⑫
5‐1.収益認識会計①‐⑦
5₋2.収益認識会計⑧-⑫
6.リース会計①‐⑥
7.固定資産の減損①‐⑩
8.ソフトウェア会計①‐⑥
9.研究開発費会計①‐⑦
10.繰延資産①‐⑦
11.退職給付会計①‐⑥
12.資産除去債務①‐⑥
13.税効果会計①‐⑥
14.ストック・オプション会計と役員賞与(報酬)会計①‐⑧
15.自己株式①‐⑦
16-1.準備金の減少①
16-2.準備金の減少②
16-3.準備金の減少③

〈執筆者紹介〉
長島 正浩
(ながしま・まさひろ)
茨城キリスト教大学経営学部教授
東京大学大学院法学政治学研究科修士課程修了。簿記学校講師,会計事務所(監査法人),証券会社勤務を経て,専門学校,短大,大学,大学院において非常勤講師として簿記会計や企業法を担当。その後,松本大学松商短期大学部准教授を経て,現在に至る。この間35年以上にわたり,簿記検定・税理士試験・公認会計士試験の受験指導に関わっている。

*本連載は,『会計人コース』2020年1月号付録『まいにち1問ポケット財表理論』に加筆修正したものです。


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