連載 『会計士・税理士・簿記検定 財務会計のセンスが身につくプチドリル』(第64回)ー 収益認識会計⑧‐⑫の復習


長島 正浩(茨城キリスト教大学教授)

*連載のねらいはこちら!

Q8(空欄補充)
第4のステップは,第3のステップで決定された取引価格を( ① )に( ② )する。それぞれの( ① )(あるいは別個の財又はサービス)に対する取引価格の( ② )は,財又はサービスの( ③ )の比率に基づいて行われる。


① 履行義務
② 配分
③ 独立販売価格
*収益認識会計基準65項,66項
『設例の再確認も効果的!』(桜井23版,124頁「設例1」)

Q9(空欄補充)
第5のステップでは,企業は約束した財又はサービスを顧客に移転することにより履行義務を( ① )した時に又は( ① )するにつれて,収益を( ② )する。資産が移転するのは,顧客が当該資産に対する( ③ )を獲得した時又は獲得するにつれてである。資産に対する( ③ )とは,当該資産の使用を指図し,当該資産からの残りの便益のほとんどすべてを享受する能力をいう。


① 充足
② 認識
③ 支配
*収益認識会計基準35項,37項
『ようやく第5ステップに到達!』

Q10(空欄補充)
一定の( ① )にわたり充足される( ② )については,( ② )の充足に係る( ③ )を見積り,当該( ③ )に基づき収益を一定の( ① )にわたり認識する。( ② )の充足に係る( ③ )を合理的に見積ることができる場合にのみ,一定の( ① )にわたり充足される( ② )について収益を認識する。


① 期間
② 履行義務
③ 進捗度
*収益認識会計基準41項,44項
『建設工事などが代表例!』

Q11 工事契約について,説明しなさい。


工事契約とは,仕事の完成に対して対価が支払われる請負契約のうち,土木,建築,造船や一定の機械装置の製造等,基本的な仕様や作業内容を顧客の指図に基づいて行うものをいう。
*収益認識会計基準13項
『工事進行基準が適用される』(桜井23版,137-139頁「設例10」)

Q12 契約資産と契約負債とは何か?


契約資産:企業が顧客に移転した財又はサービスと交換に受け取る対価に対する企業の権利をいう。
契約負債:財又はサービスを顧客に移転する企業の義務に対して,企業が顧客から対価を受け取ったもの又は対価を受け取る期限が到来しているものをいう。
*収益認識会計基準10項,11項
『契約資産→工事未収入金,契約負債→前受金』(桜井23版,139頁)

◎復習しましょう!
1.CF計算書
2.一株当たり当期純利益
3₋1.金融商品会計①‐⑦
3₋2.金融商品会計⑧‐⑭
3‐3.金融商品会計⑮‐⑳
4-1.棚卸資産会計①‐⑥
4-2. 棚卸資産会計⑦‐⑫
5‐1.収益認識会計①‐⑦

〈執筆者紹介〉
長島 正浩
(ながしま・まさひろ)
茨城キリスト教大学経営学部教授
東京大学大学院法学政治学研究科修士課程修了。簿記学校講師,会計事務所(監査法人),証券会社勤務を経て,専門学校,短大,大学,大学院において非常勤講師として簿記会計や企業法を担当。その後,松本大学松商短期大学部准教授を経て,現在に至る。この間35年以上にわたり,簿記検定・税理士試験・公認会計士試験の受験指導に関わっている。

*本連載は,『会計人コース』2020年1月号付録『まいにち1問ポケット財表理論』に加筆修正したものです。


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