【クイズでわかる消費税法のキホン】第32回:簡易課税における事業区分⑧


加藤久也
(税理士/名城大学大学院非常勤講師)

条文や通達、Q&Aなどから受験勉強で役に立ちそうな論点をピックアップ。クイズ形式で手軽に消費税法のキホンを学ぶ連載です。なお、特に断りのない場合には、取引は国内において行われたものとして解答してください。

問 題

当社は、青果の販売のほか、自家製の漬物の販売を行っています。売上のほとんどは、一般消費者に対する青果の販売であるため、帳簿上、事業者に対する青果の販売売上と漬物の販売売上について、印をつけて記帳しています。簡易課税の計算において、事業者への青果販売売上を第1種事業、漬物の販売売上を第3種事業とし、残額を第2種事業とすることはできますか。

解答

事業者への青果販売売上を第1種事業、漬物の販売売上を第3種事業とし、残額を第2種事業とすることができます。

解 説

事業の種類の判定方法(消費税法基本通達13-3-2)

第一種事業から第六種事業までのうちいずれの事業に係るものであるかの区分は、課税資産の譲渡等ごとに行うのであるが、第一種事業から第六種事業のうち二以上の種類の事業を行っている事業者が、当該二以上の種類の事業のうち一の種類の事業に係る課税売上げのみを区分していない場合には、当該課税期間における課税売上高(令第57条第3項第1号《中小事業者の仕入れに係る消費税額の控除の特例》に規定する当該課税期間における課税売上高をいう。以下13-4-2までにおいて同じ。)から事業の種類を区分している事業に係る課税売上高の合計額を控除した残額を、当該区分していない種類の事業に係る課税売上高として取り扱って差し支えない。
例えば、第一種事業、第二種事業及び第三種事業を行っている事業者が、帳簿上、第一種事業と第二種事業に係る課税売上げを区分している場合には、区分していない残りの課税売上げは第三種事業として区分しているものとして取り扱うこととなる。(平9課消2-5、平26課消1-8により改正)

<執筆者紹介>
加藤 久也(かとう・ひさや)

税理士/名城大学大学院非常勤講師(消費税法担当)
1991年、富山大学理学部卒。1991年~1995年、株式会社日立製作所に勤務。1998年、税理士試験合格。2000年、税理士登録。2002年、愛知県春日井市に加藤久也税理士事務所開業。税理士業のほか、1998年~2019年に名古屋大原学園、2016年より名城大学、2019年より愛知淑徳大学にて非常勤講師を務める。2017年より東海税理士会税務研究所研究員、2021年より同研究所副所長に就任。2019年より日本税法学会所属。著書に『ワークフロー式消費税[軽減税率]申告書作成の実務』(共著、日本法令)がある。

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