【日商2級から税理士へ ステップアップ会計教室】第19回:債権債務④


渡邉 圭
(千葉商科大学基盤教育機構准教授)


この連載講座では、「日商簿記では学ばないけれど、税理士試験の簿記論・財務諸表論では必要になる論点」を学習します。
簿記論・財務諸表論の学習は広範囲にわたるため、日商簿記では深く学んでいない論点も対策しなければなりません。
税理士を目指して簿記論・財務諸表論の学習を始めた方、「いずれは税理士に」と考えている方は、この連載講座を使って効率的に学習を進めていきましょう。


前回は、税理士試験で出題される可能性のある「荷為替手形」について学習しました。

今回は、実際に練習問題を解いていきましょう!

練習問題

次の取引について仕訳をしなさい。

① 当社は、得意先に商品200,000円を販売し、船便で発送した。その際、取引銀行で額面160,000円の荷為替を取組み、割引料2,000円が差引かれた残額を当座預金口座に預入れた。

② 当社は、仕入先から商品1,000ドルを仕入れ、このうち取引銀行から手形代金800ドルの荷為替の引受けを求められたので、これに応じ、船荷証券を受け取った。なお、取引時の直物為替相場は115円/ドルであった。

③ 決算にあたり、買掛金200ドルと支払手形800ドルについて必要な決算整理を行う。当期末の直物為替相場は120円/ドルであった。

④ 得意先の売掛代金60,000円の回収として、自己(当社)振出しの為替手形を裏書譲渡された。

解 答

(単位:円)

①の仕訳

(借) 売掛金 40,000 ※2
 当座預金 158,000 ※1
 手形売却損 2,000
(貸) 売上 200,000

②の仕訳

(借) 未着商品 115,000
(貸) 買掛金 23,000 ※3
 支払手形 92,000 ※4

③の仕訳

(借) 為替差損益 5,000
(貸) 買掛金 1,000 ※5
 支払手形 4,000 ※6

④の仕訳

(借) 受取手形 60,000
(貸) 売掛金 60,000

※1 160,000円-2,000円=158,000円

※2 200,000円-160,000円=40,000円

※3 200ドル×115円=23,000円

※4 800ドル×115円=92,000円

※5 200ドル×(120円-115円)=1,000円

※6 800ドル×(120円-115円)=4,000円

次回、総まとめ問題を解いていきましょう!


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