村上翔一(敬愛大学准教授)
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問題
連結財務諸表の作成については、( ア )と( イ )の2つの考え方がある。いずれの説においても、単一の指揮下にある企業集団全体の資産・負債と収益・費用を連結財務諸表に表示する点で変わりないが、資本に関しては、( ア )は、連結財務諸表を親会社の財務諸表の延長線上に位置づけて、親会社の株主持分のみを反映させるのに対し、( イ )は、連結財務諸表を親会社とは区別される企業集団全体の財務諸表と位置づけて、企業集団を構成するすべての会社の株主持分を反映させるものである。現行基準では、( ア )が採用されている。
解答・解説
ア 親会社説
イ 経済的単一体説
連結財務諸表制度の見直しに関する意見書、第二部・一・2
連結財務諸表に関する会計基準(企業会計基準第22号)、par.51
連結基礎概念は、連結の範囲に影響を与える。親会社説では、子会社の親会社持分に相当するのれんが計上され、経済的単一体説では、親会社のみならず非支配株主に帰属するのれんも計上される。
◎復習しましょう!(バックナンバー)
第1回 棚卸資産①
第2回 棚卸資産②
第3回 棚卸資産③
第4回 棚卸資産④
第5回 棚卸資産⑤
第6回 有価証券①
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第30回 税効果会計⑥
第31回 連結会計①
【執筆者紹介】
村上 翔一(むらかみ しょういち)
明治大学大学院経営学研究科博士後期課程修了(博士(経営学))。明治大学専門職大学院会計専門職研究科教育補助講師、敬愛大学専任講師を経て現在敬愛大学経済学部准教授。
<主な論文>
「保有者における電子マネーの会計処理」『簿記研究』(日本簿記学会)第2巻第1号、2019年(日本簿記学会奨励賞)
「ICOに関する会計処理」『敬愛大学研究論集』第98号、2020年
「ブロックチェーン技術の進展と簿記」『AI時代に複式簿記は終焉するか』(岩崎勇編著)、税務経理協会、2021年
「コンセンサス・アルゴリズムの観点に基づく暗号資産の会計処理―マイニング、ステーキング、ハーベスティングの理解を通じて―」『敬愛大学研究論集』第100号、2021年 他
*本連載は、「会計人コース」2019年11月号「特集:勉強したくなる「習慣化」のススメ 7日間理論ドリル」を大幅に加筆修正したものです。