(解答)
1.期間損益計算はキャッシュ・フローによる収支計算が原型である。すなわち,利益は,最終的には,投下した資金と回収した資金の差額にあたるネット・キャッシュ・フローであり,各期の利益の合計がその額に等しくなる。
※ 類問も同趣旨の解答になろう。
2.発生主義会計では,代替的会計方法が認められているとともに,会計処理方法の適用に際して見積判断が介入する余地が少なくない。また,企業の支払能力が判定できないため黒字倒産をまねくおそれがある。そこで,この発生主義会計の問題点を補完するものとして,会計方針に左右されず,キャッシュの裏づけを伴うキャッシュ・フロー計算書が位置づけられている。
(著者紹介)
早谷 準一(はやたに じゅんいち)
専門学校東京CPA会計学院講師
東京CPA会計学院で、税理士コース財表理論を長年担当。また、中小企業診断士として各種研修、講義等活動の分野も広げている。『会計人コース』特集・付録等への執筆多数。著書に『明快図解 経営分析の基本』(祥伝社、共著)などがある。
(注)本連載は、『会計人コース』2018年5月号付録『すらすら財表理論』の内容を加筆・修正したものです。
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