<直前期集中連載>財表理論 インプット&アウトプット同時マスター講座(第7回)―資産評価


Ⅲ 資産会計②

2.資産の評価
15.取得原価の定義
 ★★
 取得原価とは,資産取得の際に①支払われた現金もしくは現金同等物の金額,または取得のために②犠牲にされた財やサービスの公正な金額をいう。

16.企業会計原則における取得原価基準の採用根拠 ★★★
 取得原価基準の採用根拠は次のとおりである。
(1) 取得原価によって資産を評価すれば,資産の貸借対照表価額は一般に①過去に発生した外部取引による実際の支出額を基礎にして決定され,②計算の確実性・客観性が保証され,③検証可能性も高い。
(2) 取得原価によって資産を評価することにより,時価が上昇したときでも④資金的裏づけのない評価益を認めず,⑤未実現利益を排除できる。

17.時価の定義 ★★
 時価とは,算定日において①市場参加者間で秩序ある取引が行われると想定した場合の,当該取引における②資産の売却によって受け取る価格又は③負債の移転のために支払う価格をいう。

18.割引価値の定義と評価基準としての問題点 ★★★
 割引価値とは,資産の利用から得られる①将来キャッシュ・フローの見積額を,何らかの②割引率によって測定時点まで割り引いた測定値をいう。割引価値の評価にあたって,③将来キャッシュ・フローの見積予測と割引率の選択について高い不確実性を伴い,測定値が主観的なものにならざるを得ないため,評価基準として,信頼性を充足した情報の提供が困難である。

19.事業投資と金融投資の定義 ★★★
 事業投資とは,①売却することに事業遂行上の制約があり,企業が②事業の遂行を通じて成果を得ることを目的とした投資である。例えば,③有形固定資産や棚卸資産が該当する。金融投資とは,④売却することに事業遂行上の制約がなく,公正価値の変動によって利益を獲得することを目的にした投資である。例えば,⑤売買目的有価証券やデリバティブが該当する。

*自宅学習などで音読可能であれば、ぜひ音読しましょう!


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