【毎日簿記10分ドリル】第7回:工事契約


解 答

(借)工事原価 72 (貸)工事損失引当金 72

解 説

1.X1年度の工事利益

(1)  工事進捗度
1,410百万円(X1年度工事原価)÷4,700百万円(X1年度末見積工事原価総額)=30%

(2)  工事収益
5,100百万円(工事収益総額)×30%=1,530百万円

(3)  工事利益
1,530百万円(工事収益)-1,410百万円(工事原価)=120百万円

2.X2年度の工事損失

(1)  工事進捗度
{1,410百万円(X1年度工事原価)+2,694百万円(X2年度工事原価)}÷5,400百万円(X2年度末見積工事原価総額)=76%

(2)  工事収益
5,100百万円(工事収益総額)×76%-1,530百万円(X1年度)=2,346百万円

(3)  工事損失
2,346百万円(工事収益)-2,694百万円(工事原価)=△348百万円

3.工事損失引当金

(1)  X2年度末見積りによる工事契約から生じる工事損失合計
5,100百万円(工事収益総額)-5,400百万円(X2年度末見積工事原価総額)=△300百万円

(2) X1年度とX2年度の工事損失合計
120百万円(X1年度工事利益)-348百万円(X2年度工事損失)=△228百万円

(3) 工事損失引当金
300百万円(工事損失合計)-228百万円(X1年度とX2年度の工事損失合計)=72百万円


〈執筆者紹介〉
加藤 大吾(かとう・だいご)
早稲田大学大学院会計研究科非常勤講師・公認会計士
2003年早稲田大学政治経済学部経済学科卒。2005年公認会計士登録。東京CPA会計学院にて公認会計士講座(簿記)・日商簿記検定講座の講師業務の傍ら、監査法人にて監査業務にも従事。2015年より早稲田大学大学院会計研究科非常勤講師。著書に『税理士試験 簿記論・財務諸表論 総合問題なるほど解法ナビ』(中央経済社)がある。

記事一覧
① 当座預金
② 現金
③ 有価証券
④ 貸倒引当金
⑤ 一般商品売買
⑥ 棚卸資産(売価還元法)
⑦ 工事契約
⑧ 特殊商品売買
⑨ 本支店会計
⑩ 固定資産・繰延資産
⑪ ソフトウエア
⑫ リース取引
⑬ セールアンドリースバック取引
⑭ 固定資産の減損
⑮ 社債
⑯ 資産除去債務
⑰ デリバティブ取引
⑱ 税効果会計
⑲ 純資産会計
⑳ ストック・オプション
㉑ 合併会計
㉒ 会計上の変更
㉓ 外貨建有価証券
㉔ 為替予約(独立処理)
㉕ キャッシュフロー計算書


固定ページ:
1

2

関連記事

ページ上部へ戻る