税理士・会計士・日商1級 絶対落とせない財表理論45ー第45回 概念FW⑤


村上翔一(敬愛大学准教授)

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問題

討議資料「財務会計の概念フレームワーク」では、収益とは、純利益または少数株主損益を増加させる項目であり、特定期間の期末までに生じた資産の増加や負債の減少に見合う額のうち、( ア )から解放された部分であるとする。ここで( ア )は、投資の成果の不確実性を指す。投資にあたって期待された成果が事実として確定するパターンは投資内容によって異なる。( イ )投資では、( イ )のリスクに拘束されない独立の資産を獲得したとみなすことができるときに、( ア )から解放されたと考える。( ウ )投資では、事業の目的に拘束されず、保有資産の価値変動をそのまま期待に見合う事実として、( ア )から解放されたと考える。

解答・解説

ア 投資のリスク
イ 事業
ウ 金融

討議資料 財務会計の概念フレームワーク、第3章pars.13、23、第4章par.57
従来わが国に存在した収益認識基準である実現の内容解釈には多義性があったことから、それらを包摂的に説明するため、「投資のリスクからの解放」という概念を用いている(討議資料 財務会計の概念フレームワーク、第4章par.58)。

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【執筆者紹介】
村上 翔一
(むらかみ しょういち)
明治大学大学院経営学研究科博士後期課程修了(博士(経営学))。明治大学専門職大学院会計専門職研究科教育補助講師、敬愛大学専任講師を経て現在敬愛大学経済学部准教授。
<主な論文>
「保有者における電子マネーの会計処理」『簿記研究』(日本簿記学会)第2巻第1号、2019年(日本簿記学会奨励賞)
「ICOに関する会計処理」『敬愛大学研究論集』第98号、2020年
「ブロックチェーン技術の進展と簿記」『AI時代に複式簿記は終焉するか』(岩崎勇編著)、税務経理協会、2021年
「コンセンサス・アルゴリズムの観点に基づく暗号資産の会計処理―マイニング、ステーキング、ハーベスティングの理解を通じて―」『敬愛大学研究論集』第100号、2021年 他

*本連載は、「会計人コース」2019年11月号「特集:勉強したくなる「習慣化」のススメ 7日間理論ドリル」を大幅に加筆修正したものです。


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