解 答
正しいもの 1,3
解 説
1 ○ 固定資産の耐用年数
耐用年数は見積りによるものであり,物質的減価と機能的減価の両者を加味して決定されることになります。
(「連続意見書 第三 有形固定資産の減価償却について」第一,八)
2 × その他有価証券の評価差額の処理方法の変更
処理の変更は正当な理由があれば認められます。当然ながら,その処理を変更する場合は,紛れもなく会計方針の変更に該当することになります。
3 ○ 事業目的以外に保有する土地や建物
これらは本来の営業目的でないことから通常の有形固定資産の区分の土地や建物として取り扱うことはできず,投資その他の資産の区分に計上されます。また,時間の経過等の理由で価値が減少すれば減価償却の対象になります。
(「財務諸表等規則」第32条13号,第33条)
4 × 固定資産の減損
固定資産の減損は当該資産の収益性の低下を原因とし,その投資額の回収が見込めないことを本質的な理由とし,その帳簿価額を切下げることにより行われるものです。しかし,これは時価基準によるものではなく取得原価基準の下で行われる臨時的な帳簿価額の減額です。
(「固定資産の減損に係る会計基準の設定に関する意見書」三 1)
(執筆者紹介)
堀川 洋(ほりかわ・よう)
堀川塾塾長
大学卒業後、税理士試験に合格。その後、専門学校において税理士講座の指導を約40年担当し、2010年に会計に関連する資格試験の受験を専門にした堀川塾を設立。受験指導を中心に、書籍の執筆や大学での講師など、幅広い経験をもつ。
主著に『電卓操作最短・最速攻略法〔第2版〕』(中央経済社)、『日商簿記受験生のための電卓操作完ぺき自習帳〔改訂版〕』『ここから始める理論暗記の極意』(いずれもとりい書房刊)など多数。
連載記事一覧
【1日目】現金勘定
【2日目】当座預金勘定
【3日目】企業会計原則
【4日目】商品売買(分記法)
【5日目】商品売買(売価還元法)①
【6日目】商品売買(売価還元法)②
【7日目】資産会計
【8日目】有価証券(満期保有目的債券)
【9日目】有価証券(その他有価証券)
【10日目】基本概念
【11日目】減価償却(定率法、償却保証率)
【12日目】減価償却(資本的支出)
【13日目】リース資産取引
【14日目】資産除去債務
【15日目】資産会計一般
【16日目】貸倒引当金(C/F見積法)
【17日目】貸倒引当金(貸倒懸念債権)
【18日目】貸倒引当金(破産更生債権等)
【19日目】固定資産会計
【20日目】外国為替
【21日目】為替予約(独立処理)
【22日目】社債(買入償還)
【23日目】社債(決算整理)
【24日目】棚卸資産の評価
【25日目】ストック・オプション
【26日目】退職給付引当金
【27日目】返品調整,製品保証引当金
【28日目】純資産会計
【29日目】金利先物取引
【30日目】割賦販売(支払期限到来基準)
※ 本連載は,会計人コース2015年2月号付録「簿・財 計算×理論 実力アップドリル[30日完成]」を編集部で再構成したものです。バックナンバーはこちらからお求めいただけます。