問 題(難易度:★★★)
当社では割賦販売を回収期限到来基準で計上している。当期首における割賦売掛金の未回収額が60,000円(うち、回収期限到来分1,000円)、これに係る繰延割賦売上利益は14,750円であった。期中においてこの未回収の割賦売掛金のうち49,500円を回収した。当期中において回収期限が到来した金額は49,000円である。これにより期末の割賦売掛金残高は10,500円(うち、回収期限到来分500円)である。当期末において繰延割賦売上利益の戻入額で正しいものを下記の中から選択しなさい。
(1) 12,250円
(2) 12,375円
(3) 12,500円
(4) 15,000円
解 答
正解 (1) 12,250円
前期の割賦売掛金に関する回収期限到来分と未到来分を正しく把握して戻入額を計算することになる。これにより回収額49,500円の中には前期末の期限到来分1,000円が含まれていること、また当期回収期限到来分49,000円の中に未回収額500円が含まれていることを考慮すること。
① 前期利益率:14,750円/(60,000円-1,000円)=0.25
② 戻入額:(49,500円-1,000円+500円)×25%=12,250円
(執筆者紹介)
堀川 洋(ほりかわ・よう)
堀川塾塾長
大学卒業後、税理士試験に合格。その後、専門学校において税理士講座の指導を約40年担当し、2010年に会計に関連する資格試験の受験を専門にした堀川塾を設立。受験指導を中心に、書籍の執筆や大学での講師など、幅広い経験をもつ。
主著に『電卓操作最短・最速攻略法〔第2版〕』(中央経済社)、『日商簿記受験生のための電卓操作完ぺき自習帳〔改訂版〕』『ここから始める理論暗記の極意』(いずれもとりい書房刊)など多数。
※ 本稿は、『会計人コース』2019年8月号に掲載した記事を再編集したものです。
記事一覧
① 固定資産買換えに係る減価償却費
② 貸付金に関する為替予約
③ 税効果会計の基本
④ キャッシュ・フロー見積法による貸倒引当金
⑤ 売価還元法
⑥ 有価証券売却益の計上
⑦ キャッシュ・フロー計算書における貸付金
⑧ 株主資本等変動計算書におけるその他有価証券評価差額金
⑨ 社債の買入償還
⑩ 仕入割戻と仕入割引
⑪ 借地権の更新
⑫ 金銭債権に関する償却原価法
⑬ 商品売買原価率
⑭ 退職給付引当金の計上
⑮ 積立金方式による圧縮記帳
⑯ 自己株式に関するその他資本剰余金
⑰ 満期保有目的債券の期末処理
⑱ 改定償却率による減価償却費
⑲ 外貨建その他有価証券の期末評価
⑳ 資産除去債務
㉑ 商品評価損に係る税効果会計
㉒ 先入先出法に関する期末商品の評価
㉓ 当座預金勘定の修正
㉔ 割賦販売の回収期限到来基準
㉕ 資本的支出に係る減価償却費
㉖ 破産更生債権の金額
㉗ 値上家賃に係る前払家賃の計上
㉘ 工事進行基準による収益計上
㉙ 剰余金配当時の準備金積立額