【計算4択・1分クイズ】第26回:破産更生債権の金額


問 題(難易度:★★)

得意先F社は前期において回収に関して重要な問題が生じたために受取手形と売掛金の合計額10,000円を貸倒懸念債権勘定に振替えて、前期末決算においてこの金額の50%である5,000円に貸倒引当金を設定していた。当期になり民事再生法の適用を申請した結果、その更生計画が決定して債権額90%である9,000円は切捨てられ、残額10%である1,000円は当期から5年間で均等に返済されることになった。これにより貸倒懸念債権から破産更生債権勘定への振替、および一部貸倒の処理も行っている。また更生計画の当期回収分の200円はすでに受取っている。この場合に当期末の破産更生債権等勘定の残高で正しいものを下記の中から選択しなさい。

(1) 800円
(2) 4,800円 
(3) 5,800円 
(4) 9,800円 

解 答

正解 (1) 800円

期中において貸倒懸念債権勘定10,000円が破産更生債権等勘定に振替えられる。しかしこの破産更生債権等勘定の90%は切捨てられるために9,000円は回収不能となり、前期末に設定した貸倒引当金5,000円と貸倒損失4,000円で相殺消去される。また破産更生債権等勘定10,000円の10%の残額1,000円のうち200円は期中に回収済であるために、その残額800円が期末の破産更生債権等勘定の金額になる。

破産更生債権等勘定:10,000円-10,000円×90%-200円=800円


(執筆者紹介)
堀川 洋(ほりかわ・よう)
堀川塾塾長
大学卒業後、税理士試験に合格。その後、専門学校において税理士講座の指導を約40年担当し、2010年に会計に関連する資格試験の受験を専門にした堀川塾を設立。受験指導を中心に、書籍の執筆や大学での講師など、幅広い経験をもつ。
主著に『電卓操作最短・最速攻略法〔第2版〕』(中央経済社)、『日商簿記受験生のための電卓操作完ぺき自習帳〔改訂版〕』『ここから始める理論暗記の極意』(いずれもとりい書房刊)など多数。

※ 本稿は、『会計人コース』2019年8月号に掲載した記事を再編集したものです。


記事一覧
① 固定資産買換えに係る減価償却費
② 貸付金に関する為替予約
③ 税効果会計の基本
④ キャッシュ・フロー見積法による貸倒引当金
⑤ 売価還元法
⑥ 有価証券売却益の計上
⑦ キャッシュ・フロー計算書における貸付金
⑧ 株主資本等変動計算書におけるその他有価証券評価差額金
⑨ 社債の買入償還
⑩ 仕入割戻と仕入割引
⑪ 借地権の更新
⑫ 金銭債権に関する償却原価法
⑬ 商品売買原価率
⑭ 退職給付引当金の計上
⑮ 積立金方式による圧縮記帳
⑯ 自己株式に関するその他資本剰余金
⑰ 満期保有目的債券の期末処理
⑱ 改定償却率による減価償却費
⑲ 外貨建その他有価証券の期末評価
⑳ 資産除去債務
㉑ 商品評価損に係る税効果会計
㉒ 先入先出法に関する期末商品の評価
㉓ 当座預金勘定の修正
㉔ 割賦販売の回収期限到来基準
㉕ 資本的支出に係る減価償却費
㉖ 破産更生債権の金額
㉗ 値上家賃に係る前払家賃の計上
㉘ 工事進行基準による収益計上
㉙ 剰余金配当時の準備金積立額


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