【計算4択・1分クイズ】第15回:積立金方式による圧縮記帳


問 題(難易度:★★★)

当期首に自己資金300,000円と国庫補助金200,000円で機械装置500,000円を購入した。この機械装置は国庫補助金相当額を積立金方式で圧縮記帳を行い、定額法、残存価額ゼロ、耐用年数8年で減価償却(決算年1回)を行う。税効果会計を適用し、実効税率を30%とした場合に当期末の貸借対照表に計上される圧縮記帳積立金の金額で正しいものを下記の中から選択しなさい。

(1) 17,500円 
(2) 60,000円 
(3) 122,500円 
(4) 200,000円  

解 答

正解 (3) 122,500円

圧縮記帳積立金はまず200,000円が積立てられ、これに税効果会計を適用してその30%に相当する60,000円が取崩される。さらに会計上と税法上の減価償却費の差額分の取崩とこれに係る税効果会計の差異の解消を考慮しなければならない。

① 圧縮記帳積立金:200,000円

② 同上の税効果分:
200,000円×30%=60,000円

③ 減価償却費:
イ)会計上:500,000円÷8年=62,500円
ロ)税法上:(500,000円-200,000円)÷8年=37,500円

④ 積立金取崩:
(62,500円-37,500円)×(100%-30%)=17,500円

⑤ 期末積立金:
200,000円-60,000円-17,500円=122,500円


(執筆者紹介)
堀川 洋(ほりかわ・よう)
堀川塾塾長
大学卒業後、税理士試験に合格。その後、専門学校において税理士講座の指導を約40年担当し、2010年に会計に関連する資格試験の受験を専門にした堀川塾を設立。受験指導を中心に、書籍の執筆や大学での講師など、幅広い経験をもつ。
主著に『電卓操作最短・最速攻略法〔第2版〕』(中央経済社)、『日商簿記受験生のための電卓操作完ぺき自習帳〔改訂版〕』『ここから始める理論暗記の極意』(いずれもとりい書房刊)など多数。

※ 本稿は、『会計人コース』2019年8月号に掲載した記事を再編集したものです。


記事一覧
① 固定資産買換えに係る減価償却費
② 貸付金に関する為替予約
③ 税効果会計の基本
④ キャッシュ・フロー見積法による貸倒引当金
⑤ 売価還元法
⑥ 有価証券売却益の計上
⑦ キャッシュ・フロー計算書における貸付金
⑧ 株主資本等変動計算書におけるその他有価証券評価差額金
⑨ 社債の買入償還
⑩ 仕入割戻と仕入割引
⑪ 借地権の更新
⑫ 金銭債権に関する償却原価法
⑬ 商品売買原価率
⑭ 退職給付引当金の計上
⑮ 積立金方式による圧縮記帳
⑯ 自己株式に関するその他資本剰余金
⑰ 満期保有目的債券の期末処理
⑱ 改定償却率による減価償却費
⑲ 外貨建その他有価証券の期末評価
⑳ 資産除去債務
㉑ 商品評価損に係る税効果会計
㉒ 先入先出法に関する期末商品の評価
㉓ 当座預金勘定の修正
㉔ 割賦販売の回収期限到来基準
㉕ 資本的支出に係る減価償却費
㉖ 破産更生債権の金額
㉗ 値上家賃に係る前払家賃の計上
㉘ 工事進行基準による収益計上
㉙ 剰余金配当時の準備金積立額


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