【連載】基礎力チェック! 消費税課税判定クイズ2026(第3回)〜納税義務判定・簡易課税の適用判定


川上悠季(税理士)

【編集部より】
答練や模試が本格化する直前期、難しい論点や新論点が気になるところです。しかし、どの科目においても、合否を分けるのは「基礎論点」と言われます。
そこで、本連載では、消費税の課税判定に関する○×問題を、税理士の川上悠季先生に週一ペースで出題していただきます(全8回・毎週火曜日掲載予定)。スキマ時間での基礎固めにぜひご活用ください!

こんにちは!税理士の川上悠季です。

今回も、前回に引き続き、直前期こそ大切にしたい基礎論点に関する問題を出題します。

それでは早速、今週の5問に挑戦してみてください!

今回の問題のテーマは「納税義務判定・簡易課税の適用判定」です。

問題(全5問)

解答・解説

問1.×

基準期間における課税売上高が1,000万円以下である事業者(適格請求書発行事業者を除く。)は、納税義務が免除されます。当社は、当課税期間の初日から適格請求書発行事業者であるため、当課税期間の納税義務は免除されません。

問2.×

適格請求書発行事業者でない場合、基準期間における課税売上高が1,000万円以下であっても、特定期間における課税売上高が1,000万円を超えるときは、納税義務は免除されません。ただし、特定期間中に支払った支払明細書に記載すべき給与等の合計額を特定期間における課税売上高とすることができます。本問のように、特定期間における課税売上高が1,000万円超で、特定期間中に支払った給与等の額が1,000万円以下である場合は、事業者の任意で課税事業者となるか免税事業者となるか選択することができるため、「当課税期間の納税義務は免除されず、必ず課税事業者となる。」というのは誤りです。なお、国外事業者については、特定期間における課税売上高に代えて特定期間中の給与等の支払額で納税義務の判定を行うことはできないので注意しましょう。

問3.〇

第1期事業年度は基準期間及び特定期間はありませんが、期首資本金の額が1,000万円以上であることから「新設法人」に該当し、納税義務は免除されません。1,000万円ちょうどの場合は1,000万円「以上」となることに注意しましょう。

問4.×

その年に相続があった場合において、その年の基準期間における課税売上高が1,000万円以下である相続人が、基準期間における課税売上高が1,000万円を超える被相続人の事業を承継したときは、その相続のあった日の翌日からその年12月31日までの納税義務は免除されません。乙の基準期間における課税売上高は1,000万円を超えているため、甲の令和8年8月15日から令和8年12月31日までの期間に係る納税義務は免除されないこととなりますが、令和8年1月1日から令和8年8月14日までの期間については、基準期間における課税売上高及び特定期間における課税売上高がいずれも1,000万円以下であるため納税義務が免除されます。したがって、「甲の令和8年1月1日から令和8年12月31日までの納税義務は免除されない。」という記述は誤りです。

問5.×

簡易課税制度は、原則として、その適用を受けようとする課税期間の前課税期間までに簡易課税制度選択届出書を提出しており、かつ、基準期間における課税売上高が5,000万円以下である場合に適用を受けることができます。本問の場合、前課税期間までに簡易課税制度選択届出書を提出していますが、基準期間における課税売上高が5,000万円を超えているため、当課税期間については簡易課税制度の適用はなく、原則課税方式により消費税の納付税額を計算しなければなりません。

学習到達度とアドバイス

いかがでしたか?

今回の問題は、納税義務判定と簡易課税の適用判定に関する重要論点からの出題でした。

納税義務判定や簡易課税の適用判定の論点は非常に複雑で覚えづらいところですが、基礎論点をしっかり押させて少しずつ覚えていきましょう!

次回(6月30日掲載予定)の問題も、ぜひ挑戦してください!

【執筆者紹介】

川上 悠季(かわかみ・ゆうき)

慶應義塾大学卒業。
23歳で税理士試験官報合格(簿記論、財務諸表論、法人税法、消費税法、事業税)。
2022年日税研究賞入選。2024年新日本法規財団奨励賞(会計・税制分野 優秀)受賞。
自身が税理士受験生だったときにスマホアプリ「消費税法 無敵の一問一答」を開発。「楽しく学ぶ」をモットーに、アプリやウェブサイト、SNSなどを通じて消費税法の知識を広く発信している。
・X(@YukiKawa_Tax 本人アカウント)
・X(@mutekishouhizei 消費税法一問一答アプリアカウント)
「消費税法 一問一答アプリ」公式ホームページ

<連載「基礎力チェック! 消費税課税判定クイズ」バックナンバー>
第1回:課税の対象


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