【連載】基礎力チェック! 消費税課税判定クイズ2026(第2回)〜仕入税額控除制度


川上悠季(税理士)

【編集部より】
答練や模試が本格化する直前期、難しい論点や新論点が気になるところです。しかし、どの科目においても、合否を分けるのは「基礎論点」と言われます。
そこで、本連載では、消費税の課税判定に関する○×問題を、税理士の川上悠季先生に週一ペースで出題していただきます(全8回・毎週火曜日掲載予定)。スキマ時間での基礎固めにぜひご活用ください!

こんにちは!税理士の川上悠季です。

今回も、前回に引き続き、直前期こそ大切にしたい基礎論点に関する問題を出題します。

それでは早速、今週の5問に挑戦してみてください!

今回の問題のテーマは「仕入税額控除制度」です。

問題(全5問)

解答・解説

問1.×

「課税仕入れ」とは、事業者が、事業として他の者から資産の譲り受けや借り受けを行うこと、または役務の提供を受けることをいいます。ただし、非課税や免税となる取引及び給与等を対価とする役務の提供は課税仕入れの範囲から除かれています。したがって、夏季賞与の支給額は課税仕入れとなりません。

問2.〇

給与等を対価とする役務の提供は課税仕入れの範囲から除かれていますが、従業員等で通勤する者に支給する通勤手当のうち、通勤に通常必要と認められる部分の金額については、課税仕入れに係る支払対価の額として取り扱われます。なお、通勤手当については、適格請求書等の保存を必要とせず、一定の事項を記載した帳簿の保存のみで仕入税額控除を受けることができることも併せて押さえておきましょう。

問3.×

事業者が、国内において行う居住用賃貸建物に係る課税仕入れ等については、仕入税額控除が認められません。居住用賃貸建物とは、住宅の貸付けの用に供しないことが明らかな建物以外の建物であって高額特定資産又は調整対象自己建設高額資に該当するものをいいます。高額特定資産とは、一の取引単位につき、課税仕入れ等に係る税抜支払対価の額が1,000万円以上の棚卸資産又は調整対象固定資産をいいます。本問のアパートは、税抜支払対価の額が1,000万円以上なので、居住用賃貸建物に該当し、仕入税額控除が認められません。

問4.×

税理士報酬の支払いは課税仕入れに該当し、仕入税額控除の対象となります。ただし、税理士報酬は、特定の売上げに結び付くものではなく、会社業務全体のために要するものであるため、個別対応方式を適用する場合、「課税資産の譲渡等とその他の資産の譲渡等に共通して要するもの」(=共通対応課税仕入れ)に区分されます。

問5.〇

事業者が自己において使用していた固定資産等を譲渡した場合は、その営む本業の事業の種類のいかんを問わず第四種事業に該当することになります。卸売業は第一種事業に該当しますが、商品の配送用トラックの売却は事業用固定資産の譲渡であるため、第一種事業ではなく第四種事業となります。

学習到達度とアドバイス

いかがでしたか?

今回の問題は、仕入税額控除制度に関する重要論点からの出題でした。

インボイス制度の導入により仕入税額控除制度の論点は複雑化しているため、基礎的な論点を復習して土台をしっかり固めていきましょう!

次回(6月23日掲載予定)の問題も、ぜひ挑戦してください!

【執筆者紹介】

川上 悠季(かわかみ・ゆうき)

慶應義塾大学卒業。
23歳で税理士試験官報合格(簿記論、財務諸表論、法人税法、消費税法、事業税)。
2022年日税研究賞入選。2024年新日本法規財団奨励賞(会計・税制分野 優秀)受賞。
自身が税理士受験生だったときにスマホアプリ「消費税法 無敵の一問一答」を開発。「楽しく学ぶ」をモットーに、アプリやウェブサイト、SNSなどを通じて消費税法の知識を広く発信している。
・X(@YukiKawa_Tax 本人アカウント)
・X(@mutekishouhizei 消費税法一問一答アプリアカウント)
「消費税法 一問一答アプリ」公式ホームページ

<連載「基礎力チェック! 消費税課税判定クイズ」バックナンバー>
第1回:課税の対象


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