【連載】基礎力チェック! 消費税課税判定クイズ2026(第6回)〜重要基礎論点


川上悠季(税理士)

【編集部より】
答練や模試が本格化する直前期、難しい論点や新論点が気になるところです。しかし、どの科目においても、合否を分けるのは「基礎論点」と言われます。
そこで、本連載では、消費税の課税判定に関する○×問題を、税理士の川上悠季先生に週一ペースで出題していただきます(全8回・毎週火曜日掲載予定)。スキマ時間での基礎固めにぜひご活用ください!

こんにちは!税理士の川上悠季です。

今回も、前回に引き続き、直前期こそ大切にしたい基礎論点に関する問題を出題します。

それでは早速、今週の5問に挑戦してみてください!

問題(全5問)

解答・解説

問1.×

海外送金手数料は、消費税法上非課税取引とされている「外国為替業務に係る役務の提供」に係る手数料であるため、課税仕入れには該当しません。

問2.〇

容器等に「医薬品」又は「医薬部外品」と記載されている栄養ドリンクは、飲食料品の範囲から除かれる医薬品等に該当するため、軽減税率の適用対象となりません。

なお、容器等に「医薬品」又は「医薬部外品」と記載されておらず、清涼飲料水や炭酸飲料に該当する栄養ドリンクは軽減税率の適用対象となることに注意しましょう。

問3.〇

国、地方公共団体、公共・公益法人、一般社団法人・一般財団法人等が原則課税により控除対象仕入税額を計算する場合、補助金・会費・寄附金等の対価性のない収入があるときは、一定の調整計算が必要となることがあります。具体的には、特定収入割合が5%を超える場合は、消費税法第60条《国、地方公共団体等に対する特例》の適用を受け、通常の計算方法によって算出した控除対象仕入税額から一定の方法によって計算した特定収入に係る課税仕入れ等の消費税額を控除した残額を、その課税期間の控除対象仕入税額とする調整が必要となります。

特定収入割合は、その課税期間中の特定収入の合計額を、その課税期間中の税抜課税売上高、免税売上高、非課税売上高、国外売上高および特定収入の合計額の総合計額で除して計算します。

本問の国庫補助金収入100万円は特定収入に該当し、特定収入割合=100万円÷(800万円+100万円+100万円)=10%であり、5%を超えているため、消費税法第60条《国、地方公共団体等に対する特例》に規定する一定の調整計算を行う必要があります。

なお、国庫補助金収入などの対価性のない収入であっても、法令または交付要綱等において特定支出(課税仕入れ等に係る支出、一定の借入金の返済、給与、利子、土地購入費など)のためにのみ使用することとされているものは特定収入に該当しないことに注意しましょう。

問4.〇

土地の賃貸借契約の更改に当たって受ける更新料は、土地の上に存する権利の設定の対価として資産の譲渡等の対価に該当するため、非課税取引となります。課税売上割合の算定上分母に全額を算入します。

問5.〇

買手である課税事業者は、交付を受けた適格請求書又は適格簡易請求書(電磁的記録により提供を受けた場合も含む。)の記載事項に誤りがあったときは、売手である適格請求書発行事業者に対して修正した適格請求書又は適格簡易請求書の交付を求め、その交付を受けることにより、修正した適格請求書又は適格簡易請求書を保存する必要があり、自ら追記や修正を行うことはできません。

ただし、買手である課税事業者が作成した一定事項の記載のある仕入明細書等の書類で、売手である適格請求書発行事業者の確認を受けたものについても、仕入税額控除の適用のために保存が必要な請求書等に該当するため、当社において適格請求書の記載事項の誤りを修正した仕入明細書等を作成し、B社の確認を受けた上で、その仕入明細書等を保存することにより仕入税額控除を受けることができます。

学習到達度とアドバイス

いかがでしたか?

今回は、全体的にやや難易度の高めの問題でした。

問5については、仕入先から交付を受けた適格請求書に誤りがあった場合の訂正・確認という実務的な対応に関する問題でした。見慣れない問題で戸惑った方もいるかもしれませんが、インボイス制度の趣旨は「売り手が買い手に正確な適用税率や消費税額等を伝えるための手段を担保すること」であることを踏まえてよく考えてみれば、記載事項にミスがあっても、訂正した内容について相手方の確認を受けたのであれば上記趣旨の目的は達成されることになるので、それにより仕入税額控除が認められるんじゃないかと推測できたのではないでしょうか。

近年、本試験でも実務色の強い問題の出題が相次いでおり、受験対策の勉強だけではカバーしきれないような問題も度々出題されていますが、その多くは基本に立ち返ってよく考えてみれば解ける問題です。

こうした問題にも柔軟に対応できるようになるためにも、土台となる基礎論点の理解をおろそかにしないようにしましょう!

次回(7月21日掲載予定)の問題も、ぜひ挑戦してください!

【執筆者紹介】

川上 悠季(かわかみ・ゆうき)

慶應義塾大学卒業。
23歳で税理士試験官報合格(簿記論、財務諸表論、法人税法、消費税法、事業税)。
2022年日税研究賞入選。2024年新日本法規財団奨励賞(会計・税制分野 優秀)受賞。
自身が税理士受験生だったときにスマホアプリ「消費税法 無敵の一問一答」を開発。「楽しく学ぶ」をモットーに、アプリやウェブサイト、SNSなどを通じて消費税法の知識を広く発信している。
・X(@YukiKawa_Tax 本人アカウント)
・X(@mutekishouhizei 消費税法一問一答アプリアカウント)
「消費税法 一問一答アプリ」公式ホームページ

<連載「基礎力チェック! 消費税課税判定クイズ」バックナンバー>
第1回:課税の対象


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