【論述に強くなる!財表理論講座】第21回:株主資本等変動計算書


長島正浩
(茨城キリスト教大学経営学部教授)


全31回のプログラムで、税理士試験・財務諸表論に強くなる! 
論点ごとに本試験に類似したミニ問題を用意しました。まずは問題1にチャレンジし、文章全体を何度か読み直したところで問題2(回によっては問題3も)を解いてみましょう。そして、最後に論述問題を解いてください。


まずは問題にチャレンジ!

株主資本等変動計算書は,貸借対照表の( ① )の一会計期間における変動額のうち、主として、株主に帰属する部分である( ② )の各項目の( ③ )を報告するために作成するものである。
株主資本等変動計算書の( ④ )は,企業会計基準第5号「純資産会計基準」に定める貸借対照表の( ① )の( ④ )に従う。貸借対照表の( ① )における( ② )の各項目は,( ⑤ ),当期変動額及び( ⑥ )に区分し,当期変動額は( ③ )ごとにその金額を表示する。

問題1
文中の空欄( ① )から( ⑥ )にあてはまる適切な用語を示しなさい。

問題2
株主資本等変動計算書の作成が必要とされた理由は何か,説明しなさい。

解 答

問題1

① 純資産の部
② 株主資本
③ 変動事由
④ 表示区分
⑤ 当期首残高
⑥ 当期末残高

問題2

会社法において、株式会社は、株主総会又は取締役会の決議により、剰余金の配当をいつでも決定でき、また、株主資本の計数をいつでも変動させることができることとされたため、貸借対照表及び損益計算書だけでは、資本金、準備金及び剰余金の数値の連続性を把握することが困難となるためである。

基本的な考え方

・株主資本等変動計算書に表示される各項目の当期首残高及び当期末残高は、前期及び当期の貸借対照表の純資産の部における各項目の期末残高と整合したものでなければならない。

論述問題にチャレンジ!

損益計算書の末尾が当期純利益までとなって、貸借対照表と損益計算書の連携は断たれたのか?

損益計算書の当期純損益は、株主資本等変動計算書でその他利益剰余金(繰越利益剰余金)の変動事由として継承され、株主資本等変動計算書の各項目の期末残高は、貸借対照表の純資産の部に継承される。すなわち、損益計算書、株主資本等変動計算書、貸借対照表の順に連携している。

〈執筆者紹介〉
長島 正浩(ながしま・まさひろ)
茨城キリスト教大学経営学部教授
東京大学大学院法学政治学研究科修士課程修了。簿記学校講師、会計事務所(監査法人)、証券会社勤務を経て、資格予備校、専門学校、短大、大学、大学院において非常勤講師として簿記会計や企業法を担当。その後、松本大学松商短期大学部准教授を経て、現在に至る。この間30年以上にわたり、簿記検定・税理士試験・公認会計士試験の受験指導に関わっている。

※ 本記事は、会計人コース2020年1月号別冊付録「まいにち1問 ポケット財表理論」を編集部で再構成したものです。

〈バックナンバー〉
第1回:キャッシュ・フロー計算書
第2回:1株当たり当期純利益
第3回:金融商品会計①
第4回:金融商品会計②
第5回:金融商品会計③
第6回:棚卸資産会計①
第7回:棚卸資産会計②
第8回:収益認識会計
第9回:固定資産会計①
第10回:固定資産会計②
第11回:ソフトウェア会計
第12回:研究開発費会計
第13回:繰延資産
第14回:退職給付会計
第15回:資産除去債務
第16回:税効果会計
第17回:ストック・オプション会計
第18回:自己株式
第19回:準備金の減少
第20回:純資産の部の表示


関連記事

ページ上部へ戻る