LEC影山先生に聞く! 会計士・5月短答後にすべきこと【前編】5→8合格を目指す人へ


【編集部より】
5月26日(日)、第Ⅱ回短答式試験を受験された皆様、お疲れさまでした。5月短答の受験生のなかには、5→8合格を目指す受験生や次の12月短答を本命にする受験生などさまざまなタイプがいます。
そこで、それぞれのタイプ別に次の目標に向けてどのように具体的な対策をとっていくとよいかをLEC東京リーガルマインド公認会計士講座講師の影山一人先生にお聞きしました!
・【前編】5→8合格を目指す人へ
・【後編】12月短答を目指す人へ

「5→8合格」を目指す受験生へ

―昨日(5月26日(日))、短答式試験が行われました。

影山 短答式試験お疲れ様でした! ボーダーライン付近の方は、学習に集中できないこともあるかもしれませんが、発表までの約1ヵ月が勝負を決めることも十分にあり得ます。 ボーダーのことは一旦忘れ、気持ちを切り替えて、学習を進めてください!

―具体的に、5月短答の受験生が、試験後まずどのようなアクションを起こすべきでしょうか。

影山 まだ自己採点をしていない人もいるかもしれませんが、重要なのは「次の試験に向けてフィードバックを得て進んでいくこと」です。

12月短答であれば8月論文まで半年ほど時間があるので、自己採点を後回しにして少し休んでも大丈夫ですが、5月短答の場合はそうはいきません。

休みたいと思う気持ちももちろんわかりますが、5月から8月までは本当に短く、貴重です。試験直前に、「あと1日あればなぁ…」と思うこともよくあるので、1日も無駄にはできません。

ですから、すぐに自己採点を行い、その結果をうけて、早急に学習を進めていくことが大事です。

どの学校もボーダー予想を公表しますので、2~3校くらいを見比べて、自己採点結果がボーダー超えか、残念だったのか、ギリギリなのか。その三択で、自分のポジションを自分なりに確定させることが最初のステップです。

―影山先生が、「5→8合格ができそうだな」と思う受験生はどんな人でしょうか。

影山 LECのカリキュラムでは、5月短答までは短答式対策に集中して論文式対策をほとんどしません。なので、いずれにせよ5月短答が終わってから論文式の勉強を始めます。

ただ、これはLECに限った話ではないと思いますが、やはり「5月短答までの学習における習熟度が高いか低いかによる」と思います。
つまり、5月短答にしっかりと実力をもって合格した人と、多少なりとも運などの要素も加わって受かった人とでは大きく違ってくるでしょう。

また、5月短答試験から合格発表までは3週間程度あります。特にボーダー付近の人は結果が気になってしまいますが、その間あまり勉強に身が入らないと、5→8合格の可能性は低くなってしまいます。

自己採点結果はどうあれ、合格発表までの期間も、ある程度腰を据えて勉強できる人のほうが当然合格しやすいという印象です。

―気持ちをうまく切り替えられるとよいのですが…。

影山 やはり一番ソワソワするのは予想ボーダーの前後1~2%の方ですね。

受講生からの相談もとても多いですが、とりあえず前に進みましょう! 合格ラインが思ったより低かった時に、勉強をやっておいて損はありません。基本的には、ボーダーよりも2ポイントくらい低くても8月論文に向けて勉強するしかないです。

実際、「どう気持ちを切り替えたらいいか?」ということもよく聞かれますが、これは難しい質問で…。
まずは、「目の前のことをしっかりやる」、「勉強をスタートさせる」こと。そうしないとボーダーが気になってしまうと思います。

失恋したら次の子ではないですけど、勉強せずにずっとボーダーのことを考えていると忘れられないので、5月短答に受かっている前提で、まずは「スケジュールを軽く立ててみること」です。

8月から逆算して、やらないといけないことをまとめていくと、「3ヵ月では到底終わらない」ことに気付くので、すると、嫌でも動かざるを得なくなるはずです。机に向かうことが、切り替えの鍵ですね。

もし予想と結果が違ったら…?

―自己採点では不合格と思っていて、結果、合格しているというケースも中にはあるのでしょうか?

影山 予想より実際のボーダーが低かったときに結構ありますね。予想に反して受かっちゃったら、目の前にチャンスがあるので、8月論文を目指すしかありません。

ただ、あまり大きな声で言いにくいですが、現実として、短答4科目の習熟度が高くなく、かつ合格発表までの1ヵ月もあまり勉強しなかったという方は、正直、残り2ヵ月で全科目の合格は相当キツイと思います。

なので、その場合は、科目合格に舵を切るというのも戦略の1つでしょう。1科目なら、2ヵ月みっちり対策すれば合格できる可能性があるので。

―これも少し言いにくいかもしれませんが…、その場合はどの科目に集中するとよいでしょうか?

影山 これは他の先生方とも意見が分かれるところなので、あくまで個人的な意見としてですが、選択科目がよいのではないかと思います。経営学か、法律系が好きであれば企業法ですね。この2つは、学習範囲を考慮しても狙いやすい科目かなと思います。

―短期間でどこまでできるかですね。

影山 もともとのポテンシャルがある人は、5→8合格を狙えると思います。例えば、LECだと、1年で短答合格を目指すカリキュラムがあって、そこで本当にボーダーラインまで点数がとれるような方は、8月論文も突破する可能性があるでしょう。

なので、もし合格発表まであまり勉強せず、思いのほか受かっちゃった人でも、短答までの学習習熟度が高いのであれば、科目合格ではなく、全科目合格を目指したほうがよいです。

―最後に、5→8を狙う受験生にメッセージをお願いします。

影山 5月→8月は、本当にタイトなスケジュールで勉強していかなければいけないので、つらいとは思います。この3ヵ月は、人生で一番勉強することになるような時間になるでしょう。つまり、それくらい勉強しないと、8月論文合格が見えてきません。

8月が終われば、就活もありますが、ある程度自分の好きな時間も取れるようになるので、「8月終わったら何しようかな」と考えながら、最後の力を振り絞って頑張って進めていってください!

―ありがとうございました! 後編では、12月短答を目指す受験生向けにアドバイスをいただきます。

(後編へつづく・明日掲載予定)

<お話を聞いた人>

影山一人(かげやま・かずと)先生

LEC東京リーガルマインド公認会計士講座専任講師
平成21年 公認会計士試験合格。LEC専任講師として、公認会計士講座の短答講座から論文講座まで、全範囲におよぶ財務会計論を担当。講義外においても、丁寧な質問・相談フォローで、受講生から厚い信頼を得ている。柔道二段。

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