【税理士試験 合格体験記】フリーターからの挑戦! 「学歴・お金・通学」ナシで4科目独学合格!


もち
(税理士法人勤務・40代)

出身地:大阪府
受験歴:11年目
合格科目:簿記論・財務諸表論・消費税法(2016年)/所得税法(2020年)
学習時間:平日2時間/休日4時間
学習スタイル:独学

目次
税理士を目指したきっかけ
独学を選んだ理由
毎日決まった時間に必ず勉強する!
計算:「なぜこうなるのか」を意識する
理論:条文の意図を理解して暗記
勉強道具や教材は“工夫しない”
発想の転換でモチベーションを維持
メッセージ

税理士を目指したきっかけ

私は高校卒業後、約12年間定職に就かず暮らしていました。そんななか、自分に貯蓄がまったくなく、もらえる年金も少ないことに気づきました。また、結婚できるような相手もいなかったので、「1人で老後を生き抜かなければいけない」という覚悟が生まれ、何か資格を取ろうと決意しました。

世の中に数多くある資格の中で税理士を選んだのは、当時フラれたカノジョが経理関係の仕事をしている人で、私の家に置き忘れた電卓を偶然発見したからです。「税理士ってどういうことができるかわからないけど、なんかすごそう」、そんな気持ちで私の税理士試験はスタートしました。

独学を選んだ理由

税理士試験を受けると決めた場合、「どの専門学校で学習するか」や「通学にするか通信にするか」で悩むと思いますが、私の場合は「専門学校に通う」という選択肢すらなく、独学で学習を始めました。

というのも、「税理士試験を受ける」とは決めたものの、「どうしても税理士になりたい」という強い思いはなかったからです。当時は、「勉強してみて太刀打ちできなかったら諦める」程度の心構えでした。そのため、専門学校での学習は検討もしませんでした。(当時は収入も低く、日々の生活だけで精一杯だったということもあります。)

また、当時読んだ税理士試験の合格体験記に、「専門学校から出される課題をこなすだけで満足してしまい合格できなかった」と書いてあり、自分もそのようになってしまうのではないか、と感じたのも独学を選んだ理由です。

毎日決まった時間に必ず勉強する!

働きながらの受験は、「学習時間の確保」が最大の課題です。

私は、最初の科目合格後の2017年、税理士事務所に勤めはじめましたが、どんなに忙しくても、疲れていても、「この時間は必ず勉強する」というルールを決めていました。

たとえば、通勤中や休日遊びに行くときの移動中には理論を、寝る前には個別計算問題を1問だけでもやる、というふうに。

何日かに一度ガッツリ学習するより、毎日少しずつでも学習を継続するほうが実力はつくと思っています。

計算:「なぜこうなるのか」を意識する

税法の計算は、

① 個別計算問題で計算方法を一通り覚える

② レベルが低めの総合問題に取り組む

③ 答え合わせをする

④ 間違えた部分があれば、その原因を分析し、次に総合問題を解くときにつなげる

というやり方で学習を進めていました。

計算方法は、もともと暗記力には自信がなく、また「理由や根拠がはっきりしていない物事はまったく覚えられない」という性格もあって、「なぜこうなるのか」を調べて、理解し、納得する、という過程を経て覚えるようにしていました。計算方法をただ丸暗記、ということはしませんでした。

計算方法の根拠を調べるにあたっては、国税庁ホームページの「タックスアンサー」「質疑応答事例」を使っていました。市販のテキストにも、計算方法に関する解説文があるにはあるのですが、論点によってはないものがあったり、またあっても納得できないものがあったりしたためです。国税庁ホームページを見ても納得できないときは、国会図書館や地元の大きめの図書館にこもり、専門書『税務弘報』など実務家向けの雑誌を調べていました。

計算方法の根拠なんて、本試験で問われないであろう事柄を調べるのは、一見すると非常に効率が悪いように思えます。しかし、条文の趣旨や制定の意図を理解しておくことで、テキストに書かれた計算方法がなぜこうなっているのか、腑に落ちるんです。そうすると二度と忘れません。これをやることで、一度覚えた内容をまた覚える必要がなくなるため、学習時間の確保にも役立ちました。

理論:条文の意図を理解して暗記

税法の理論についても、ただ文章を暗記するのではなく、条文の伝えたい内容を理解してから暗記するようにしていました。

具体的には、

① 最初に数回、テキストの文字をただ書き写す

② テキストを見ずに書き出してみる

③ 思い出せなかったらテキストを見て内容を確認する

を繰り返すことで理論暗記ができました。

また、理論は、とにかく紙に書いて覚えました。こうすることで、本試験に備えて紙に理論を書くことに慣れることができました

勉強道具や教材は“工夫しない”

試験本番で使うボールペンは、デザインや重さ、持ちやすさや書きやすさなど、相当吟味したものを使っていますが、勉強で使っていたボールペンには一切こだわりがなく、「ただ文字を書ければいい」という感じで選んでいました。これには、あえて持ちにくくて書きにくいボールペンを使うことで腕を鍛えておこう、という意図がありました。

また、他の税理士受験生のブログやSNSを拝見すると、テキストの重要な部分にマーカーを塗ったり、ノートに覚えるべき点をまとめている方がほとんどですが、私はそれをしませんでした。

なぜなら、テキストには重要なことしか書かれていませんし、ノートにまとめたところで試験本番で見ることはできませんので、やる意味を見出せなかったからです。それに、マーカーを塗ったりノートにまとめたりすること自体が勉強の目的になってしまいそうな気がしたので、これらの時間を他のことに使うようにしていました。

発想の転換でモチベーションを維持

税理士試験への挑戦は長期間になりがちです。合格を勝ち取るためには、長期間モチベーションを維持することが大切になってきますよね。

私の場合、「合格したい」というより、「学習の進捗具合を確かめよう」というスタンスで勉強するようにしていたので、その点はあまり困りませんでした。ですので、受験する税法を選ぶ際は、「合格のしやすさ」より「興味をもてるか」を基準としたほうがよいかと思います。

また、いつ合格するかわからない試験なので、焦りや不安といったネガティブな感情を覚える方も多いはず。しかし、そういう感情は生活にいい影響を与えませんから、私はできるかぎりポジティブシンキングを心がけていました。

たとえば、専門学校の全国公開模試で非常に低い点数を取ったときには、「これが本番の試験じゃなくてよかった」「本番前に自分が理解していない論点を確認できてよかった」「今まで解答できていなかった論点が解答できるようになっていた」というように、どんなに悪い結果からでも無理やり良いところを探すようにしていました。

自分を評価してくれるのは自分しかいないですからね。

そして、税理士試験で動かす身体の部位は腕くらいなのですが、なぜかものすごく体力を消耗します。体力が消耗すると、普段なら考えられないミスをしがちです。私も、試験終了後に専門学校がリリースする模範解答と解説を確認し、自分がとんでもない解答をしていたと愕然とすることが何度もありました。ですので、普段から腕立てや腹筋、ランニングなどのトレーニングをするのも大事だと思います。

メッセージ

本当に大事なのは「諦めないこと」です。

税理士試験は諦めて受験をやめる人が多く、続けている人は少ないです。続けていさえすれば、それだけで選ばれた人になれるわけです。

試験でわからない問題が出ても、まずは自分の知っていることを書いてみましょう。空欄だと絶対に点数は取れませんが、何かしら書いてあれば点数が取れるかもしれません。

学歴なし・お金なし・専門学校に通っていない自分でも合格することができましたから、皆さんのように才能のある方々ならば、必ず合格を勝ち取れるはずです。


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