連載 『会計士・税理士・簿記検定 財務会計のセンスが身につくプチドリル』(第195回)ー 外貨換算会計③


長島 正浩(茨城キリスト教大学教授)

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問題

外貨建取引の発生日から当該取引に係る外貨建金銭債権債務の決済日に至るまでの間の為替相場の変動による為替差異すなわち為替換算差額及び為替決済損益の処理にあたり,考えられる二つの基準とは何か?

解答・解説

一取引基準:一取引基準とは,決済日基準ともいい,外貨建取引から当該取引に係る外貨建債権債務の円決済取引までを一つの取引とみて換算処理を行う方法である。すなわち,外貨建取引と為替決済取引とを一体とみる換算処理方法である。

二取引基準:二取引基準とは,取引日基準ともいい,外貨建取引と当該取引に係る外貨建債権債務の円換算(決済以前の決算日に行う換算)や円決済取引を別個独立した取引とみて換算処理を行う方法である。すなわち,外貨建取引と為替決済取引とを区別する換算処理方法である。

*外貨建会計基準の設定について二1.(2)
『外貨建取引はとにかく日本円で仕訳をしてみるとよい。図表14-4の仕訳の対比がわかりやすい!』(桜井23版,404-405頁「設例2」)

◎復習しましょう!
1.CF計算書
2.一株当たり当期純利益
3₋1.金融商品会計①‐⑦
3₋2.金融商品会計⑧‐⑭
3‐3.金融商品会計⑮‐⑳
4-1.棚卸資産会計①‐⑥
4-2. 棚卸資産会計⑦‐⑫
5‐1.収益認識会計①‐⑦
5₋2.収益認識会計⑧-⑫
6.リース会計①‐⑥
7.固定資産の減損①‐⑩
8.ソフトウェア会計①‐⑥
9.研究開発費会計①‐⑦
10.繰延資産①‐⑦
11.退職給付会計①‐⑥
12.資産除去債務①‐⑥
13.税効果会計①‐⑥
14.ストック・オプション会計と役員賞与(報酬)会計①‐⑧
15.自己株式①‐⑦
16.準備金の減少①‐⑥
17.純資産の部の表示①‐⑦
18.株主資本等変動計算書①‐⑤
19-1.企業結合会計①‐⑦
19-2.企業結合会計⑧‐⑫
20.事業分離会計①‐⑤
21.連結会計①‐⑥
22-1.外貨換算会計①
22-2.外貨換算会計②

〈執筆者紹介〉
長島 正浩
(ながしま・まさひろ)
茨城キリスト教大学経営学部教授
東京大学大学院法学政治学研究科修士課程修了。簿記学校講師,会計事務所(監査法人),証券会社勤務を経て,専門学校,短大,大学,大学院において非常勤講師として簿記会計や企業法を担当。その後,松本大学松商短期大学部准教授を経て,現在に至る。この間35年以上にわたり,簿記検定・税理士試験・公認会計士試験の受験指導に関わっている。

*本連載は,『会計人コース』2020年1月号付録『まいにち1問ポケット財表理論』に加筆修正したものです。


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