【会計人ペディア】日商簿記1級ってどんな試験? 合格のメリットは?


こんにちは、編集部です。
「会計人コースWeb」では、簿記検定や税理士試験、公認会計士試験など、“会計系資格”の受験に役立つ情報を提供しています。
この「会計人ペディア」は、読者の皆さんの「そもそも○○って何だろう?」という“ちょっとしたギモン”に応えるコーナーです。
これまでの取材や蓄積されてきた情報をもとに、編集部が率直にお答えします!
もし、「こんなことが知りたい」というテーマがありましたら、編集部までご意見をお寄せください♪


前回の「日商簿記2級ってどんな試験?」に続いて、日商簿記1級の試験内容や試験範囲、合格率などについて、ご紹介していきます。

日商簿記2級について知りたい方は、こちらの記事をご覧ください。

日商簿記1級合格者は、簿記のプロフェッショナル

日商簿記3級は、「すべてのビジネスパーソンが知っておくべき知識」、日商簿記2級は、「会計の道に進む方の登竜門」と紹介しました。

日商簿記1級に合格した方は、きわめて高度な簿記知識を身につけた、「簿記のプロフェッショナル」といっても過言ではありません。

それは、試験範囲や合格率などからも明らかです。順に見ていきましょう。

試験科目と試験範囲

日商簿記1級の試験科目は、

・商業簿記/会計学
・工業簿記/原価計算

で構成されています。

それぞれの試験範囲はかなり広く、日商簿記2級や3級のように、出題範囲が明治された「出題区分表」はありません。
日商簿記に詳しい方によると、1級は「無差別級」とのこと。つまり、施行されている各法令や会計基準から、何でも出題される可能性があるります。

受験資格はある?

日商簿記に受験資格はありません。誰でも受験することができます。

なので、日商簿記3級・2級を受験しないで、いきなり1級から受験することも可能です。しかしながら、1級の難易度はかなり高いため、実際には2級を経て受験する方がほとんどのようです。

日商簿記1級に合格するメリットは?

まずは、進学や就職の際に、かなり有利になることがメリットです。

多くの大学において、推薦入試の基準に用いられていたり、就職でも「企業が求める資格ランキング トップ10」では、日商簿記1級は第7位にランクインしています。

また、日商簿記1級に合格すると、国家試験である税理士試験の受験資格が得られます。これもメリットの1つです。

試験時間、合格基準、受験料は?

試験時間は、商業簿記・会計学、工業簿記・原価計算が各90分です。

100点満点中70点以上で合格となるのは、2級・3級と変わらないのですが、1科目でも得点が40%に満たないと、不合格となります。

受験料は、7,850円(税込み)です。

試験日や申込日はいつ?

毎年、6月・11月の日曜日に、各月1回ずつ、全国で一斉に開催されています。

例年は、2級・3級が実施される2月には1級はありませんでしたが、2020年6月の試験が新型コロナウイルスの影響で実施できなかったことから、2021年2月には1級も開催されることが公表されています。

日商簿記1級の受験を考えている方には朗報ですね!

なお、申込日は各商工会議所によって異なるので、受験を希望する商工会議所にお問い合わせください。

受験者数や気になる合格率は?

日商簿記1級の受験者数は、おおよそ年間で1万9千人です。年に2回開催されているので、1回あたり9,000人~1万人前後が受験しています。

合格率は、8~9%くらいで推移しています。

第140回から第153回までの10回分(1級は年2回開催のため、カウントにズレがあります)の合格率の平均は9.4%で、最も低いときで5.9%、最も高いときで13.4%です。

税理士試験の簿記論や財務諸表論が12~15%前後の合格率なので、日商簿記1級の合格は、非常に狭き門であることがわかります。

ネット試験が開始されるって聞いたけれど…?

日商簿記2級と3級は、2020年12月からネット試験が開始されますが、今のところ1級は対象外です。そのため、これまでと同様に、紙の試験(統一試験といいます)を受験することになります。


以上、駆け足でまとめましたが、参考になる点はありましたか?

コロナの影響で、進学や就職・転職がうまくいかない方もいらっしゃるかもしれませんが、そういうときこそ資格をもっていると有利ですよね。

また、会計人コースWebでは、日商簿記1級の勉強法について、簿記のプロの先生方にインタビューしています。

これから日商簿記1級に挑戦する方や、学習のやり方に悩んでいる方は、ぜひ参考にしてみてください!

【日商簿記1級うかる勉強法】インタビュー
井ノ川博行先生(ICOライセンススクール校長)

平井孝道先生(株式会社M-Cass代表取締役)

渡邉 圭先生(千葉商科大学専任講師)


関連記事

ページ上部へ戻る