(解答例)
財貨又は用役の消費事実の存在という確定事実として,発生を解釈するのが狭義説であるのに対し,広義説では,その消費原因事実が存在した場合も含めて発生を解釈する立場である。
「基準」では,退職給付は,(賃金の後払いとしての性格を有し,)基本的に勤務期間を通じた労働の提供に伴って発生するものと考えられる以上,当期の負担に属すべき金額は,その支出の事実に基づくことなく,その支出の原因又は効果の期間帰属に基づいて費用として認識するという考え方を採用しているため,広義説に立つものと考えられる。
⇒「退職給付に関する会計基準」53項
(著者紹介)
早谷 準一(はやたに じゅんいち)
専門学校東京CPA会計学院講師
東京CPA会計学院で、税理士コース財表理論を長年担当。また、中小企業診断士として各種研修、講義等活動の分野も広げている。『会計人コース』特集・付録等への執筆多数。著書に『明快図解 経営分析の基本』(祥伝社、共著)などがある。
(注)本連載は、『会計人コース』2018年5月号付録『すらすら財表理論』の内容を加筆・修正したものです。
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