加藤大吾
(公認会計士・税理士)
公認会計士試験(短答式)の財務会計論の計算&理論のレベルを想定した○×問題を、2021年5月の本試験まで毎日(月~金)出題!
もちろん税理士試験の簿記論・財務諸表論、日商簿記1級の対策にも使えます。
【○×問題】
建物(帳簿価額500,000円)が火災により焼失した。建物には火災保険400,000円が掛けられており、直ちに保険会社へ請求した。
(借) 火災未決算 500,000
(貸) 建物 500,000
【正解】 ×
火災保険の契約金額が400,000円であるため、請求時点で帳簿価額と契約金額との差額を火災損失として計上する。
(借) 火災未決算 400,000
火災損失 100,000
(貸) 建物 500,000
【根拠となる会計基準】
連続意見書第三 有形固定資産の減価償却について
第一 企業会計原則と減価償却
三 臨時償却、過年度修正
(略)
なお、災害、事故等の偶発的事情によって固定資産の実体が滅失した場合には、その滅失部分の金額だけ当該資産の簿価を切り下げねばならない。かかる切下げは臨時償却に類似するが、その性質は臨時損失であって、減価償却とは異なるものである。
〈執筆者紹介〉
加藤 大吾(かとう・だいご)
早稲田大学大学院会計研究科非常勤講師・公認会計士
2003年早稲田大学政治経済学部経済学科卒。2005年公認会計士登録。東京CPA会計学院にて公認会計士講座(簿記)・日商簿記検定講座の講師業務の傍ら、監査法人にて監査業務にも従事。2015年より早稲田大学大学院会計研究科非常勤講師。著書に『税理士試験 簿記論・財務諸表論 総合問題なるほど解法ナビ』(中央経済社)がある。