こんにちは! 会計人コースWeb編集部です。
1月4日、会計人コースWebのTwitterを見ていると、すごいツイートがタイムラインに流れてきました。
なんだこの図は!? 財表理論の関係性が綿密に書かれている…!
「自分も見かけた」という方も多いかもしれませんね。この記事を書いている時点で、845件のいいねがついており、税理士受験生の間でも話題のはず。
作成者であるボザイさん(@bozai888)は、2020年に完全独学で簿記論・財務諸表論に一発合格されています。受験生であれば、この体系図をどう作ったのか、どう役立てたのか、気になるところですよね。
そこで急遽、ボザイさんにお話を伺ってみました!
どうやって作ったのか…?
-こんにちは、本日はよろしくお願いいたします。ボザイさんが作られた体系図、拝見しました。Twitterでもすごい反響ですね!
ボザイさん:ありがとうございます。自分のために作り始めたものだったので、正直こんなに反応をいただけるとは思っていなくて…。びっくりしましたが、嬉しかったです。
-それほど財表理論が苦手な方が多いのかもしれませんね。何がきっかけで、この体系図を作ろうと思ったのでしょうか?
ボザイさん:勉強を始めたばかりの頃、「企業会計原則」が何を言っているのかまったくわからず、いったん頭の中で整理してみようかな、とiPadのGoodNotesというアプリで作り始めたのがきっかけです。
1949年にできた「企業会計原則」を起点にどのような原則や主義が生まれたのか、流れを追うことで理論の全体像が理解しやすくなると思いました。
ただ、人に見せようと思って作り始めたわけではないので、最初は本当にぐちゃぐちゃでした(笑) ある程度の形ができてきた頃、「これ人に見せても面白そうかも?」と思って、丁寧に作り出していきました。
-iPadでここまでできるのですね。ツイートに「会計法規集で検索かけて」とあるのですが、これもiPadを使ったのでしょうか? あの膨大な『会計法規集』をどう調べたのかが気になります!
ボザイさん:iPadを使いました。GoodNotesにはOCR(文字認識)の機能があるので、 キーワードで検索すれば『会計法規集』内の該当ページが見れるんですよ。
よく調べていたのは、「原価」と「主義、基準、法」に関するワードですかね。 具体的には、 「原価」だと、取得原価、取得価額、原始取得原価など、 「主義、基準、法」だと、原価主義、原価基準、原価法などです。
これらの意味するもの、範囲がまったくわからなくて、「どこでそれぞれ使い分けているんだろう…」という疑問から調べていました。
一つひとつじっくり考える
-ここまで作り上げるのにかなりの時間を要したと思うのですが、製作にはどれくらいかかったのでしょう?
ボザイさん:半年くらいです。2020年1月~2月あたり、理論の理解度でいうと基礎期から応用期に進んでいるときに作り始め、7月くらいまでちょこちょこいじっていたと思います。8月の試験が終わってからも、見栄えをよくするために少しだけ修正しました。
▼2020年3月20日時点の体系図
-半年! すごい気力ですね。ボザイさんが思う一番力を入れたポイントはどこなのでしょう?
ボザイさん:特に「発生主義会計」が理解できず苦労したので、そこ(全体図でいうと右上)には力を入れました。
一つひとつのキーワードを丁寧に見ていって「これってこういうことかな?」とか、キーワード同士の関係性を見て「これをこうしたら矛盾するな」とか。意味や関係性をじっくり考えたことで理解が深まったと思います。
理論は「流れを理解する」ことが大事
-この体系図をダウンロードされた方も多いと思うのですが、どのように使うといいのでしょうか?
ボザイさん:この体系図は僕が完全に頭の中でわかっていることを図式化したものなので、他の方がこれをこのまま使うとなると結構難しいと思います。
なので、僕がどう使っていたかというと、勉強していて「あれって何だっけ?」となったとき、この体系図を見て、会計の基礎に立ち返るようにしていました。
忘れたとき、理解が追いつかないとき、定期的に見返すことで、受験勉強後半のほうには、見なくても頭の中に入っている状態になりました。
-なるほど。実際に使ってみて、効果はありましたか?
ボザイさん:めちゃくちゃありました! 財表理論の基礎の考え方を徹底的に理解することで、応用理論の理解がラクになりました。
特に資産評価とか、ごちゃごちゃしていて頭の中で整理しづらい部分は、「どういう順番で」「どういう流れで」といったフローチャートを作成したのは役に立ちました。
僕は独学だったので、こういった理論の流れを一目で理解できるものが最初からあったら嬉しかったですね。
-「流れを理解する」、大変なことではありますが理論の学習には必要なことなのですね。本日は、貴重なお話をありがとうございました♪
この体系図は、ボザイさんのnoteで公開されています。
ぜひダウンロードしてみてください!
財務諸表論の理論体系図