尾藤武英
(税理士)
【編集部から】
新しい年が始まり、気分は晴れやか! 決意も新たに!
しかし、目の前には、確定申告や年度末といった、業務が山積みになる季節が迫っています。特に、社会人受験生にとっては時間のやりくりに悩まされる時期ですね。
どうしたらこの繁忙期を乗り越えられるでしょうか? ここでは元専門学校講師でもある尾藤武英先生(税理士)にアドバイスをいただきました!
社会人受験生の厳しい現実を知るべし!
年が明けて、会計業界の繁忙期がやってきました。社会人受験生、特に、税理士法人や会計事務所で働く方にとっては、「この時期をどう乗り切るか」は合格への大きな関門となります。
税理士試験では、受験に専念する人であれ、社会人であれ、みんな同じ時間で、同じ問題を解き、同じ基準で採点されて、合否が判定されます。社会人受験生がまず意識しなければいけないことは、専念生と比べて勉強に割ける時間が圧倒的に少なくても、同じ土俵で戦わなければいけないという厳しい現実です。
社会人受験生が合格することは、決して不可能ではありません。ただ、そのためには、惰性で勉強を続けるのはご法度! 勉強法に工夫が必要なのはもちろん、受験勉強への向き合い方(考え方)自体も変える必要があります。
では、どんな工夫や考え方が必要となるのでしょうか?
ここでは「繁忙期を乗り切る“勉強の心得”7箇条」として、以下について考えてみましょう。
心得① 勉強最優先の生活をおくる!
心得② 毎日、勉強する!
心得③ スキマ時間をとことん活用する!
心得④ 計算学習は「目」でも勉強する!
心得⑤ 寝る直前のゴールデンタイムに暗記する!
心得⑥ 基本論点(Aランク)の習得に徹する!
心得⑦ なんとしても、カリキュラムに食らいつく!
心得① 勉強最優先の生活を送る!
まずは何といっても、勉強最優先の生活をおくることです。受験に専念する人に比べると、社会人受験生は勉強に割ける時間が圧倒的に限られます。そんな立場にも負けずに合格しようと思えば、専念受験生と同じ時間の使い方をしていてはいけません。
生活の上で絶対に削ることができない、食事、睡眠、そして仕事の時間。これらを除いたすべての時間を勉強に費やす覚悟を持ち、それを実践していくことが大切です。
たとえば、
- 趣味や遊びの時間、家族や友人との時間は極力削る!
- 無駄なオンライン飲み会には参加しない!
など、受験生ではない人の生活習慣や価値観に流されないようにしましょう。
また、仕事においても、
- 就業時間内に終わらせるように努力する!
- もし自分の努力だけで解決が難しい(=組織の問題が大きい)ならば、転職も視野に入れる!
といったことが必要でしょう。
「頭ではわかっている…」という状態では、実行できません。強制的に、かつ、物理的に環境を作らなければ、実行には移せないのです。
たとえ周囲からドライな人間だと思われようが、「1年でも早く合格したい!」のであれば、勉強時間を最大限に確保するための努力を惜しまないことです。
それが、「勉強最優先の生活をおくる」ということなのです。