おわりに
心得とは、物事を理解することである。受験勉強スタート時の受験生は、実力を語る状態ではないであろう。どのような試験勉強でも、学習開始時に知るべき大切なことがある。それは、目指す試験の全体像を把握しておくことである。受験計画を立てるということは、受験勉強を能率よく進めるということのほか、全体を知るという目的もある。このような意味合いを考慮にいれて受験計画を立てておけば、どの時点においても学習の進行程度を知ることができる。
文中で述べた「受験勉強中に試験日が到来すると心得る」とは、税理士試験に万全の備えは存在しないということである。受験勉強に対し「パーフェクト」を心の中に求めている場合には、途中でやめたくなる人がいる。筆者自身、年十年という歳月にわたり受験指導しているが、受験生という立場で自分を分析すれば「パーフェクト」ではないと感じる。合格する実力が付いたら「パーフェクト」であると考えればよいのが税理士試験である。
<執筆者紹介>
並木 秀明(なみき・ひであき)
千葉経済大学短期大学部教授
中央大学商学部会計学科卒業。千葉経済大学短期大学部教授。LEC東京リーガルマインド講師。企業研修講師((株)伊勢丹、(株)JTB、経済産業省など)。青山学院大学専門職大学院会計プロフェッション研究科元助手。主な著書に『はじめての会計基準〈第2版〉』、『日商簿記3級をゆっくりていねいに学ぶ本〈第2版〉』、『簿記論の集中講義30』、『財務諸表論の集中講義30』(いずれも中央経済社)、『世界一わかりやすい財務諸表の授業』(サンマーク出版) などがある。
※ 本記事は,会計人コース2016年9月号「独学合格のゴールデンルール5」を編集部で再構成したものです。
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