【財務諸表論】かえる先生に聞く これってアリ?ナシ? 答案の書き方Q&A5


諸角 崇順

【編集部から】
税理士試験も直前期。
アウトプットの機会が増えてきたなかで、「失点が多いな」「意外と字が書けないな」と悩む受験生も少なくないのではないでしょうか。
そこで今回は、Twitterで「かえる先生」としても受験生に人気の講師・諸角崇順先生(@Sakura_Saku1218)に、財務諸表論の答案作成に関する5つのギモンに答えていただきました。

私はこれまでに大手の資格学校や専門学校で25年以上にわたり財務諸表論を指導し、通算して何万通りという答案を採点・添削してきました。そのときに感じたのが、「マナー違反の答案が多い」ということです。

そこで今回は、もったいない失点を防ぐコツとして、受験生からよく寄せられる質問にQ&A形式で答えていこうと思います。

Q1.字が下手でも大丈夫?

あまりに多く受ける質問ですが、結論から言うと、乱雑な字(クセのある字)で判読できないような場合は減点される可能性があると思います。ですが、丁寧に書いているけれど字が下手な場合は、それほど気にすることはないでしょう。

ただ、乱雑な字を書く受験生の方に気をつけてほしいのですが、資格学校の講師は、みなさんの答案を毎週のように採点し、みなさんの字に慣れているので(もっと言えば、開講時から字が徐々に乱雑になっていく過程を追っているので)少しぐらい乱雑に書いても読み取ってくれる、ということです。

しかし、試験委員は本試験の解答用紙ではじめてみなさんの乱雑な字を読むことになるので、「資格学校の講師は読めても、試験委員は読めない」ということが起こりえます。

資格学校の講師から注意されていなくても心配な方は、身近な人に自分の書く字を確認してもらうとよいと思います。

Q2.略字は使っても大丈夫?

「基本的に略字は認められない」と考えてください。

解答のキーワードとなるべき会計用語で漢字間違いがあれば、確実に減点されます。きちんと漢字で書こうとした受験生が漢字間違いで減点され、漢字に自信がないから略字で書いた受験生が減点なし、だとおかしいですよね。

略字は、漢字を正しく書けない受験生の「逃げ」と捉えられる可能性もあるので、特にキーワードで略字を使うことはしないほうがよいでしょう。

Q3.似たような言葉を使い分ける必要はある?

「価格」と「価額」、「取得原価」と「取得価額」など、一見すると同じ意味のように見える会計用語がありますが、意外と正確に使い分けができている受験生は少ないように思います。

こわいのは、実際には意味が異なるにもかかわらず、受験生自らが「どうせ、そんなに意味が変わらないだろう」と思って、勝手に表現を統一したりすることです。

もちろん、なかには意味が変わらない用語もありますが、受験生レベルで、「この用語とこの用語は意味が異なる」、「この用語とこの用語の意味は同じ」という判断は難しいと思います。資格学校のテキスト通りに覚えたほうが無難でしょう。

Q4.解答欄いっぱいに書かなくて大丈夫?

基本的に出題者たる試験委員は、「自分ならこう書く」という模範解答を用意しています。そして、試験委員は自身が用意した模範解答が収まる大きさの解答欄を設定します。

ということは、解答欄の半分にも満たない解答量だと、試験委員が用意した模範解答に必要となるキーワードがいくつか欠けていることになります。

そのため、「解答欄の80%以上は埋めないと高得点に達しない」と考えておきましょう。

Q5.修正テープは使いすぎないほうがよい?

使いすぎても問題はないでしょう。ですが、違う意味で使いすぎることには「問題があるのかな」と思います。

何が言いたいのかというと、解答の半分近くを修正しているようでは、知識を整理することなく、いきなり解答を書きはじめていることが試験委員に伝わってしまいます。

それでは、解答に対する印象が非常に悪くなるので、解答欄に書く前に計算用紙等にキーワードを書き出し、ある程度、解答を固めてから書くほうがよいと思います。

同じく「知識を整理しないで書く」といった意味では、箇条書きで解答することも避けたほうがよいでしょう。

「~を説明しなさい。」という出題形式がありますが、そのような問題に対して箇条書きの解答が成立するでしょうか。

もちろん出題形式によっては箇条書きでも問題がなかったり、内容が合っていれば0点にされることはないと思いますが、基本的に箇条書きは「緊急避難的な解答」と考えておいたほうが無難です。

以上、今回は受験生から多く寄せられる質問にお答えしました。次回は、実際の問題例を使って、財務諸表論の問題の「読み方」や「答え方」を実践的にご紹介します。お楽しみに。

<執筆者紹介>
諸角 崇順(もろずみ・たかのぶ)
大学3年生の9月から税理士試験の学習を始め、23歳で大手資格学校にて財務諸表論の講師として教壇に立つ。その後、法人税法の講師も兼任。大手資格学校に17年間勤めた後、関西から福岡県へ。さらに、佐賀県唐津市に移住してセミリタイア生活をしていたが、さまざまなご縁に恵まれ、一昨年から税理士試験の教育現場に復帰。現在は、質問・採点・添削も基本的に24時間以内の対応を心がける資格学校を個人で運営している。また、今夏から規模を拡大した資格学校を開校する予定。


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