これから逆転合格を狙うには〜税理士試験直前期に向けて 諸角崇順先生からのメッセージ①


諸角崇順(かえるの簿記論・財務諸表論代表)

<最初に・・・>
ここまで順調に計画通り勉強が進んでいる方は決して読まないようにしてください!!
勉強が遅れがちな方だけ、この先を読んでください。

税理士受験生の中で、この時期まで順調に勉強計画を消化できている人は半分もいないと思います。

理想とすれば、運に頼らない、言い換えればギャンブル(≒ヤマカケが当たれば受かる、外れれば落ちる、という試験の受け方)に出なくて済む受験をしたかったところですが、様々な事情で勉強に遅れが出てしまった方は、多少ギャンブルに出る必要があるかと思います。

もちろん本音とすれば、こんなギャンブル的な方法を紹介したくはないのですが、受験そのものをあきらめてしまうよりは、ギャンブルでも受かる可能性があるならそれに賭けてみるべきなので、もしよかったら参考にしてみてください。

簿記論

いきなりで申し訳ないのですが、簿記論はギャンブル受験ができない科目です。
この後を読み進めていただければ納得してもらえると思うのですが、ギャンブルに出るためには「理論」が必要なのです。
よって、理論がない簿記論に関しては基本的に実力通りに合否が決まってしまいます。

ただ、それだと身も蓋もないので、少しだけアドバイス。

まず、簿記論と財務諸表論の2科目学習者は、財務諸表論を優先しましょう(勉強時間は、財務諸表論7:簿記論3ぐらいの比率)。

理由は、この後の【財務諸表論】を読んでいただくとわかりますが、財務諸表論はヤマカケができますし、初日の2時間目であることから、初日の1時間目である簿記論を本試験会場の雰囲気慣れに使い、財務諸表論に落ち着いて臨むようにするためです(もちろん、簿記論も完全にあきらめるのではなく、がんばって最後まで合格する気持ちは切らさずに)。

簿記論1科目受験生は、キャッシュ・フロー計算書、連結財務諸表などの特殊論点に大ヤマを張って、当たれば逆転満塁ホームランを狙います。
特殊論点は、受験生の問題演習量がどうしても一般的普遍的な論点に比べると少ないため、苦手にする受験生が多くなります。

よって、大ヤマが当たれば逆転合格の可能性が出てきます(ただし、最後の最後の手段です)。

財務諸表論

財務諸表論は簿記論と異なり、理論がある科目です。
理論に関しては多少ヤマカケができますので、まずは計算の得点力について合格レベルまで引き上げましょう!

あたりまえのことですが、財務諸表論の計算(第三問)は「総合」問題です。
つまり、計算は総合力が問われますので、基本的にヤマカケをすることができません。
しかし、財務諸表論の理論は(最近は小設問形式となりかなり幅広く問われますが)テキストに載っている論点のすべてが問われるわけではありません。
よって、理論に関しては、過去の出題サイクル等を参考に各自でヤマカケをすることは可能です(もちろん、ヤマが外れることはありえます)。

ただ、理論のヤマカケが当たったとしても、計算が合格レベルの得点に達していなければ合格することができません(例えば、理論のヤマカケが当たり、理論で40点取れたとしても計算が15点なら合格できない、ということです)。
なので、計算だけは絶対に合格レベルの得点力まで高めておきましょう!

ヤマカケに頼る方は、財務諸表論の勉強時間を8:2に按分し、8を計算の得点力アップに使いましょう(2は理論の基本書の通読等で、理論の得点力の低下を最小限にとどめるのに使います)。
何があっても本試験日までに計算の得点力を合格レベルにもっていく必要があるためです。
そして、模試や過去問等で計算が合格レベルの得点力に達したことがわかれば、徐々に比率を7:3、6:4、最終的には5:5というように変えていきましょう。

Aランクの理論 ⇒ 完璧におさえる。
Bランクの理論 ⇒ 最低でもキーワードはおさえる。
Cランクの理論 ⇒ 捨てる。
計     算  ⇒ 合格レベルまで得点力を上げる。

税法

税法科目(科目によって、理論と計算の配点が異なりますが)も、財務諸表論と同じく理論がある科目となります。
よって、基本的なギャンブル戦略は財務諸表論と同じとなります。

ただ、税法の場合は、各科目によって、資格学校の理論テキストの丸暗記でほぼ対応できる個別理論の出題がメインの科目(昨年の本試験問題で言えば、酒税法、住民税、事業税、固定資産税)と、資格学校の理論テキストの丸暗記では対応できない応用理論や事例問題が出題の中心となる科目(昨年の本試験問題で言えば、所得税法、法人税法、相続税法、消費税法、国税徴収法)とに分けることができます。

それぞれのギャンブル戦略は以下の通りです。

資格学校の理論テキストの丸暗記でほぼ対応できる個別理論の出題がメインの科目

ほとんどの受験生が完璧に書いてくるであろうAランク、Bランクの理論について、どこか曖昧な解答をしてしまうとまちがいなく落ちてしまいます。
よって、とにかく出題可能性の高いAランクの理論については一字一句完璧に、かつ、淀みなく書けるようになるまで暗記の精度を高めていく必要があります。

また、Bランクの理論に関しても、最低限、内容や適用要件等の重要性の高い部分を一字一句完璧に、かつ、淀みなく書けるようになるまで暗記していきます(言い換えれば、Bランクの理論における宥恕規定等の重要性の乏しいところ及びCランクの理論を捨てる、というギャンブル戦略です)。

財務諸表論と同じように、計算の得点力を高め、計算ではギャンブル戦略は採らず、理論においてはAランクとBランクの理論のみで勝負に出ます。

Aランクの理論 ⇒ 一字一句、完璧に覚える。
Bランクの理論 ⇒ 内容、適用要件等、重要な部分は完璧に暗記。
Cランクの理論 ⇒ 捨てる。
計     算 ⇒ 合格レベルまで得点力を上げる。

資格学校の理論テキストの丸暗記では対応できない応用理論や事例問題が出題の中心となる科目

応用理論や事例問題の場合は、全体の配点の5%ぐらいかもしれませんが、Cランクの理論に触れないといけない可能性が高まってきます(逆にAランク、Bランクの理論でも内容や適用要件等の重要な部分がメインとなってくるので、Aランクの理論でも宥恕規定等の重要性の乏しい部分の精度を多少下げられます)。

よって、ギャンブル戦略は下記のようになります。

Aランクの理論 ⇒ 内容、適用要件等、重要な部分は完璧に暗記。
Bランクの理論 ⇒ 内容、適用要件等、重要な部分は完璧に暗記。
Cランクの理論 ⇒ 内容、適用要件等、重要な部分のみなんとなく書けるところまでは仕上げる。
計     算 ⇒ 合格レベルまで得点力を上げる。

絶対に最後まであきらめず、本試験を受けてください!!!!!

もし、今年がダメだったとしても来年のアドバンテージになります!!

最後に確認しておきますが、今回ご紹介した勉強方法は運頼みの勉強方法です。

来年受験する場合、このようなギャンブル受験をせずに済むよう、一年間の勉強計画をしっかり立てて、一年間の中で起こる不測の事態(入院した、家族の不幸があった、など)にも対応できるよう、年内にしっかりと勉強時間貯金をし、少しぐらい不測の事態が起こっても勉強計画を変更せずに済むような状態にしておいてください。

【著者プロフィール】
諸角崇順(もろずみたかのぶ)

同志社大学法学部3回生の9月から税理士試験の学習を始め、簿記論及び財務諸表論に一発合格(法人税法も一発合格)。
法人税法の受験後、大手資格学校にて講師デビュー(財務諸表論)。8年目より法人税法の講師も兼任(通算17年間在籍)。
大手資格学校退職後、佐賀県唐津市に移住し、個人運営の資格学校を立ち上げる(後に法人化 学校名「かえるの簿記論・財務諸表論」)。立ち上げ後6年が経過し、ついにお申し込みをお断りしなければならないほど受講生数となる(通算の講師歴は29年、指導させていただいた受講生は3,000人以上)
<旧ホームページ>https://peraichi.com/landing_pages/view/sakura-saku
<新ホームページ>https://www.sakurasaku-manabi.com

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