税理士・会計士・日商1級 絶対落とせない財表理論45ー総復習編⑧:収益認識


村上翔一(敬愛大学准教授)

*総復習編では9回にわたり、本連載の復習を行います。

Q1 2018年に公表された新収益認識基準では、約束した財又はサービスの顧客への移転を当該財又はサービスと交換に企業が権利を得ると見込む( ア )で描写するように、収益を認識する。すなわち、顧客との( イ )を認識する、( イ )における( ウ )を認識する、( エ )を算定する、( イ )における( ウ )に( エ )を配分する、( ウ )を充足した時に又は充足するにつれて収益を認識する、という5つのステップを踏む。

A
ア 対価の額
イ 契約
ウ 履行義務
エ 取引価格

収益認識に関する会計基準(企業会計基準第29号)、pars.16-17
資産負債中心観を適用すると契約時に利益が計上される余地があることから、企業が権利を得ると見込む対価の額で処理される。

Q2 新収益認識基準では、企業が有する履行義務が( ア )充足される履行義務でなければ、( イ )充足される履行義務となる。前者の場合、履行義務の充足に係る進捗度を見積り、当該進捗度に基づき収益を認識する。なお、履行義務の充足に係る進捗度を合理的に見積ることができないが、当該履行義務を充足する際に発生する( ウ )を回収することが見込まれる場合には、回収することが見込まれる( ウ )の金額で収益を認識する( エ )により処理する。

A
ア 一定の期間にわたり
イ 一時点で
ウ 費用
エ 原価回収基準

収益認識に関する会計基準(企業会計基準第29号)、pars.15、36、38-39、41、45
収益の認識は、一定の期間にわたり充足される履行義務か否かを判断し、それによって収益認識の方法は変化する。

Q3 新収益認識基準では、履行義務に( ア )を配分するが、その際、財又はサービスの( イ )の比率に基づいて配分を行う。この場合、契約における約束した財又はサービスの( イ )の合計額が当該契約の( ア )を超える場合には、契約における財又はサービスの束について顧客に( ウ )を行っているものとして、契約におけるすべての履行義務に対して比例的に配分する。

A
ア 取引価格
イ 独立販売価格
ウ 値引き

収益認識に関する会計基準(企業会計基準第29号)、pars.65-66、68、70
なお、値引き分を1つ又は複数の履行義務のみに配分する場合もある(par.71)。

Q4 新収益認識基準では、顧客から対価を受け取る前又は対価を受け取る期限が到来する前に、財又はサービスを顧客に移転した場合は、収益を認識し、( ア )又は( イ )を貸借対照表に計上する。( ア )と( イ )との違いは、企業が顧客に移転した財又はサービスと交換に受け取る対価に対する企業の権利のうち( ウ )か否か、すなわち、当該対価を受け取る期限が到来する前に必要となるのが( エ )のみであるか否かである。

A
ア 契約資産
イ 顧客との契約から生じた債権
ウ 無条件のもの
エ 時の経過

収益認識に関する会計基準(企業会計基準第29号)、pars.10、12、77、150
財又はサービスの提供により資産を処理する場合、対価の受け取りに時の経過のみ要する場合には顧客との契約により生じた債権、それ以外の場合には契約資産として処理される。

Q5 約束した財又はサービスに対する保証が、当該財又はサービスが合意された使用に従っているという保証のみである場合、当該保証について、( ア )として処理する。一方、これらに加えて、顧客に対する保証サービスを含む場合には、( イ )として処理する。両者の判断を行う場合には、財又はサービスに対する保証が( ウ )で要求されているかどうか、保証の対象となる( エ )、企業が履行を約束している作業の内容を考慮する。なお、顧客が当該サービスに対する保証を単独で購入するオプションを有している場合には、当該保証サービスは( オ )として処理する。

A
ア 引当金
イ 履行義務
ウ 法律
エ 期間の長さ
オ 履行義務

収益認識に関する会計基準の適用指針(企業会計基準適用指針第30号)、pars.34-38
製品保証にはアシュアランス型とサービス型があり、アシュアランス型は引当金、サービス型は履行義務として処理する。

◎復習しましょう!
総復習① 棚卸資産
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総復習③ 有形固定資産
総復習④ リース
総復習⑤ 引当金
総復習⑥ 税効果会計
総復習⑦ 連結会計

【執筆者紹介】
村上 翔一
(むらかみ しょういち)
明治大学大学院経営学研究科博士後期課程修了(博士(経営学))。明治大学専門職大学院会計専門職研究科教育補助講師、敬愛大学専任講師を経て現在敬愛大学経済学部准教授。
<主な論文>
「保有者における電子マネーの会計処理」『簿記研究』(日本簿記学会)第2巻第1号、2019年(日本簿記学会奨励賞)
「ICOに関する会計処理」『敬愛大学研究論集』第98号、2020年
「ブロックチェーン技術の進展と簿記」『AI時代に複式簿記は終焉するか』(岩崎勇編著)、税務経理協会、2021年
「コンセンサス・アルゴリズムの観点に基づく暗号資産の会計処理―マイニング、ステーキング、ハーベスティングの理解を通じて―」『敬愛大学研究論集』第100号、2021年 他

*本連載は、「会計人コース」2019年11月号「特集:勉強したくなる「習慣化」のススメ 7日間理論ドリル」を大幅に加筆修正したものです。


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