【税理士試験合格者に聞いてみた!】Q6 当日の試験問題面におけるトラブルやハプニング、その対処法は?
- 2021/8/10
- お役立ち情報
8月となり、ついに本試験!
受験生の皆さんの不安や緊張は相当なものだと思います。
そこで、そんな皆さんの励みとなるよう、合格者の方々に、さまざまなテーマの質問にお答えいただきました。
超直前の過ごし方から試験直後の過ごし方まで、きっと今知りたい情報がどこかにあるはず。
この記事の質問テーマは「当日の試験問題面におけるトラブルやハプニング、その対処法」。
何が起こるかわからない試験。
特に、問題を解いているときのトラブルやハプニングは怖いですよね。しかし、その対処法や心構えを知っておくだけで、本試験にドンと臨むことができるはず。
ぜひ参考にしてみてください。
実際の失敗談ですが、消費税法を受験した際、解答欄の間違いに、試験終了直後に気づきました(当然その年は不合格)。試験開始時に問題をザッと一読する方がほとんどだと思いますが、解答用紙も一読したほうがいいと思います。
[岩﨑 新:税理士(令和3年4月独立開業)、41歳、平成29年官報合格(簿・財・消・国・法)]
まず素読みで全体像を把握しましょう。そして、分量が少ない解けそうな問題を探します。初見の文言や語句などについては、なるべく深読みしないことが大切です。ストレートに解いて次に行きましょう。
[大槻 智也:税理士法人役員、33歳、平成29年官報合格(簿・財・法・消・住)]
・試験開始直後は、手が震えます。「そういうものだ」と知っておきましょう。そのうち収まります。
・理論がないはずの簿記論で論述問題が出たら、捨てましょう。空白でも合格できます。
・予備校の形式と異なる問題が出たら、予備校の形式に沿って解答することにこだわらないようにしましょう。筋が通ったことを書けばOKです。
・「解答欄からはみ出してはいけない」と注意書きがあるのに、どう考えても枠が足らないことがありました。やむを得ず、はみ出して書きましたが、結果は合格でした。いま思うと、計算過程は省略してよかったのかもしれません。
・学習したはずなのにすぐに思い出せない問題が出たら、後回しに。あとで思い出すこともあります。
・終わり際、最初から見直していたら、読み飛ばしていた問題文を発見し、慌てて解答を追記したことがあります。終了5分前の合図があったら、必ず問題を見直しましょう。
[Kimur@x:税理士法人勤務、40歳、平成29年官報合格(簿・財・消・法・国)、ブログ「kimura count base」運営]
・所得税法の理論問題が、前年度(長文の事例問題)に比べて短すぎたことがあります。解答用紙の枚数から考えても解答要求が少なすぎる・・・。何かウラがあるのか、何か見落としがあるのかと5分くらい悩みましたが、覚悟を決めて、問われたことだけに答えました。
・はじめて受験した固定資産税の計算問題が難しく(端数処理などややこしい問題でした)、理論の解答時間が3分しかとれませんでした。合格者は、計算を途中で切り上げて理論を解答していたので、臨機応変に対応する必要性を痛感しました。
[くまお:簿・財・所に合格、令和3年大学院修了、ブログ「税活.com」運営]
難易度が高く、見たことのない問題が出た場合は、時間がかかるため後回しにしていました。たとえば、実際に簿記の推定問題が出たとき、問題文を読んだところ、とても時間がかかると思ったので後回しにしましたが、結果的にはよかったです。わかる問題、解きやすい問題から解いていくのが精神的にもいいと思います。
[清水 小綾:税理士、20代、平成29年官報合格(簿・財・消・事・法)]
実際のハプニングとして、解答欄を間違えていたことがあります。また、相続税法を受けたときは問題が簡単で、だからこそ「1つのミスが命取りになる」という緊張感がありました。ほかにも、Cランク理論が出たときは焦りました。
[SKY:税理士法人勤務、30代、平成29年官報合格(簿・財・消・相・法)]
①法人税法の「減価償却」の問題に20分以上使ったが、結局解けなかった。
②時間配分を間違えて、60分で解くべき理論問題or計算問題に80分ほど使った。
本番では挽回が利きません。時間配分を間違えた瞬間、ジ・エンドです。振り返ると、自分が得意だと思っている問題ほど、満点を取ろうとして、時間を使いすぎる大失敗をしていました。
計算問題では、普段から、短時間で点を取れるところから素早く解答し、制限時間内に効率よく点を集める練習をしておくことが大事です。
理論問題では、時間単位(例:15分)で書ける分量を把握し、実際に答案用紙に書く前に、理論のどのブロックを書き出すか、頭の中で組み立てる練習をしておくことが大切です。
[鈴木 聖久:会社員、42歳、平成29年官報合格(簿・財・消・法・国)]
わからない問題はもちろん飛ばし、ど忘れした場合にも後回しが鉄則でしょう。
[檜山 洋二:市役所税務職員、40代、平成30年官報合格(固・国・所・簿・財)]
よくわからない問題(本当に知らない・ど忘れ問わず)は、思い切って飛ばしましょう。他の問題を解いていると、次第に頭が回転し、だんだん解けるようになるので。
また、トラブルというほどではないですが、税法の計算問題のボリュームが想定外に少ない場合、なんだか解答不能な問題がある場合は、計算欄にコメントを書いてみる。数字で解答する以外の実力・思考を採点者にアピールすることを意識していました。
[フジハラ:税理士法人勤務、40歳、平成28年官報合格(簿・財・消・法・相)、現在は社労士試験に向けてラストスパートをかける受験生]
何度読んでも意図がうまく汲み取れない問題が出て焦ったことがあります。このときは、「何回読んでもわからないし他の人もできないはず」と、早々に切り替えて次に進みました。
わからないと焦りますが、時間をかけたところで正答できる確率が低い問題かもしれません。そんな問題にハマると、取るべきところを取れなくなる危険があるので、“とりあえず後に回す潔さ”が本当に大切です。
[You:税理士・米国公認会計士、40代、平成29年官報合格(財・簿・消・法・相)]
自分が見たことのない問題やわからない問題は、周りの人も解けません。むしろ、そういう問題こそ、受験ベテラン組と初年度組との差が出ないので、ラッキーだと思うようにしましょう。基礎的な問題で完璧に得点できれば合格できます。私のときは、法人税法の計算で矛盾だらけの奇問が出ましたが、基礎的な部分だけをきっちり得点したおかげで合格できました。
[匿名:会社員、30代、平成28年官報合格(簿・消・財・相・法)]
いかがだったでしょうか?
今回は、「当日の試験問題面におけるトラブルやハプニング、その対処法」をテーマにお答えいただきました。
ちなみに…! ご回答いただいた皆さんには、過去に雑誌「会計人コース」で合格体験記もご執筆いただいております。気になる方は、ぜひ2019年1月臨時増刊号や2020年1月臨時増刊号もチェックしてみてください。
次回は、「当日の環境面におけるトラブルやハプニング、その対処法」について。お楽しみに!