独学ルール その3
敵(簿・財)を知り、攻め方を考えるべし
共通点&相違点
簿記論、財務諸表論ともに第一問、第二問は、学者の試験委員が作問し、第三問は、実務家の試験委員が作問する。
簿記は、帳簿記入の中の二文字(帳「簿記」入)といわれている。帳簿記入は、会計期間中、毎日行われるものであり、取引→仕訳(伝票記入)→総勘定元帳→試算表という一連の手続きをいう。この簿記一巡の手続きは、会社内部の手続きであるため法的に拘束されないという特徴がある。試験では、期首から期末にかけて帳簿記入をからめた問題が多く出題される。
それに対し財務諸表論は、簿記の結果を受けて決算日後の財務諸表(会社法では、計算書類)作成が試験の中心問題である。財務諸表の作成は、会社法、金融商品取引法で規制されるため、法律に準拠しなければならない。したがって、試験は、計算がらみの法律、とくに会社法の計算規定、財務諸表等規則が中心に出題される。また、試験では、決算日後の株主総会に提出される計算書類の作成が出題され、公告までの手続きがその試験内容になる。
簿記論の出題形式と特徴
第一問・第二問(ともに計算)
【配点】各25点
【時間配分(目安)】各30分
【出題内容】
仕訳、勘定記入、精算表、後T/B作成が中心であり、伝統的な仕訳と企業会計基準からの出題が多い。
第三問(計算)
【配点】50点
【時間配分(目安)】60分
【出題内容】
学者からの出題は、実務より純粋な知識を問うものである。実務家からの出題は、実務で必要な知識を問うものである。
簿記論は、日商簿記2級・3級の理解で30%程度は解答可能。ただし、日商簿記2級・3級を100%理解し、簿記検定の解答時間2時間を1時間に短縮できる実力が必要。
財務諸表論の出題形式と特徴
第一問・第二問(理論)
【配点】各25点
【時間配分(目安)】計50分
【出題内容】
記述、穴埋めならびに正誤問題が出題され、内容は企業会計原則・企業会計基準から出題される。
第三問(計算)
【配点】50点
【時間配分(目安)】70分
【出題内容】
例外なく、会社法に準拠した貸借対照表と損益計算書の作成が作成される。
財務諸表論の理論は、企業会計原則と企業会計基準から出題される。第三問で出題される計算問題の内容との共通論点が多いので理論と計算の同時学習が効果的。