公認会計士資格の伸びしろとは?


百合野正博

コロナ禍で5月の司法試験は延期になりましたが、公認会計士の短答式試験は実施されるのだろうかとヤキモキしながら勉強をしている受験生の皆さんに、やる気を萎えさせない話を書きたいと思います。
 
公認会計士試験はたんに簿記検定試験の先にある難しい試験ではありません! 社会的に非常に重要な役割を担っている資格を取得するための試験なのです。
 
日本に公認会計士が生まれて70年になりますが、最近は有名企業の粉飾や不適切会計に関連して監査の失敗を責められるシーンばかりが目立ち、公認会計士監査の社会的重要性がアピールされることはあまりないようです。
 
でも、イギリスでは有能で経験豊かな会計士には大企業のC F OやC E Oのポストにつくキャリアパスが開けていますし、アメリカでは社会の許容する会計士の報酬は高額でセントラルパークを見下ろすマンションに住むチャンスもあると聞いています。両国とも企業不正がないわけではなく、批判の矢面に立たされることも多いにもかかわらず、です。
 
それは、難しい会計士試験に合格したという結果が評価されるだけではなく、会計士という専門的職業にはプロフェッションとしての高い倫理観と判断能力の確かさと独立不羈の精神的強さが備わっているという社会からの信任が厚いからです。

このようなレベルの高い会計士になることを目指して頑張ってください。日本の公認会計士にはまだまだ伸び代があるはずです。 

<執筆者紹介>
百合野正博
(ゆりの・まさひろ)
同志社大学名誉教授。
1949年生まれ。1973年同志社大学商学部卒業。1976年同志社大学大学院商学研究科修士課程修了。同志社大学助手、助教授、教授を経て現職。博士(商学)同志社大学。公認会計士試験委員を歴任。現在、日本会計研究学会監事、日新電機株式会社社外取締役等を務める。
〈主要著書〉
『はじめてまなぶ監査論』(中央経済社/編著)、『日本の会計士監査』・『会計監査本質論』(ともに森山書店)、『アカウンティング・プロフェッション論 』(同文舘出版/編著)

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