1日3分でボーダー突破♪ 税理士試験 計算×理論30題―【15日目】資産会計一般


解 答

正しいもの  1,4

解 説

1 ○ 投資用不動産の減損処理

現行の会計制度の下では,投資用不動産であっても時価変動を損益計算に反映させることは認められません。ただし,その収益性が低下し投資額の回収が見込めなくなっている場合には減損処理の必要があります。
(「固定資産の減損に係る会計基準の設定に関する意見書」六,1)

2 × 財貨の消費のない棚卸資産

材料費などを伴わない加工委託品であっても,生産過程にあり販売目的であれば,仕掛品や製品などの棚卸資産という概念で取り扱われます。
(「連続意見書 第四 棚卸資産の評価について」第一,七)

3 × 支払能力による資産分類

資産の流動,固定,繰延資産という分類は期間損益計算の思考によるものでありません。この3区分は支払能力がどれほど企業にあるかを示すことを主眼とした分類です。

4 ○ 有価証券の売買処理

金融商品に関する会計基準に定められているとおり有価証券売買を約定時点で認識するのは,その時点でのリスクとリターンの移転を根拠にするものです。(「金融商品に関する会計基準」第55項)


(執筆者紹介)
堀川 洋(ほりかわ・よう)
堀川塾塾長
大学卒業後、税理士試験に合格。その後、専門学校において税理士講座の指導を約40年担当し、2010年に会計に関連する資格試験の受験を専門にした堀川塾を設立。受験指導を中心に、書籍の執筆や大学での講師など、幅広い経験をもつ。
主著に『電卓操作最短・最速攻略法〔第2版〕』(中央経済社)、『日商簿記受験生のための電卓操作完ぺき自習帳〔改訂版〕』『ここから始める理論暗記の極意』(いずれもとりい書房刊)など多数。

連載記事一覧
【1日目】現金勘定
【2日目】当座預金勘定
【3日目】企業会計原則
【4日目】商品売買(分記法)
【5日目】商品売買(売価還元法)①
【6日目】商品売買(売価還元法)②
【7日目】資産会計
【8日目】有価証券(満期保有目的債券)
【9日目】有価証券(その他有価証券)
【10日目】基本概念
【11日目】減価償却(定率法、償却保証率)
【12日目】減価償却(資本的支出)
【13日目】リース資産取引
【14日目】資産除去債務
【15日目】資産会計一般
【16日目】貸倒引当金(C/F見積法)
【17日目】貸倒引当金(貸倒懸念債権)
【18日目】貸倒引当金(破産更生債権等)
【19日目】固定資産会計
【20日目】外国為替
【21日目】為替予約(独立処理)
【22日目】社債(買入償還)
【23日目】社債(決算整理)
【24日目】棚卸資産の評価
【25日目】ストック・オプション
【26日目】退職給付引当金
【27日目】返品調整,製品保証引当金
【28日目】純資産会計
【29日目】金利先物取引
【30日目】割賦販売(支払期限到来基準)

※ 本連載は,会計人コース2015年2月号付録「簿・財  計算×理論 実力アップドリル[30日完成]」を編集部で再構成したものです。バックナンバーはこちらからお求めいただけます。


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