【会計士合格体験記】「詰めきれない」自分と向き合いながら試行錯誤し、大学在学中に合格!


タケノコ(22歳・一橋大学4年)

【受験情報】
受験履歴:2023年12月短答× 2024年5月短答× 2024年12月短答× 2025年5月短答〇 2025年論文〇
学習スタイル:CPA通信

はじめに

私は、大学1年生から通信で予備校の授業を受け始め、4年生で受験した5月の短答式試験(4回目)および8月の論文式試験をもって、公認会計士試験に合格しました。

途中で中だるみの時期もあり、実質的には3・4年生の2年間で集中的に勉強した形になります。いわゆる「ストレート合格」には至らず、過年度生としての受験となりましたが、その中で自分なりに試行錯誤を重ねてきました。

本稿では、生活面と学習面に分けて、その試行錯誤の過程をお伝えしたいと思います。受験勉強のマンネリ化からの脱却に焦点を当てているために、やや特殊な内容も含まれるかもしれませんが、一つの泥くさい悪あがきの例としてお読みいただければと思います。同じような状況に置かれている方にとって、何か一つでも参考になる部分があれば嬉しく思います。

「詰めきれない」弱さの克服(生活面の工夫)

受験状況と勉強時間

まず、短答式試験合格までの私の受験状況の推移と、生活面で行ってきた工夫についてお示しします。

文中の[ ]内には、その時点でのおおよその勉強時間を記載しています。
極端に少ない時期もありますが、これが当時の私のリアルでした。

上述のとおり、会計士試験の学習自体は大学1年生から始めており、合格までには大学在学中の4年間を要したことになります。

1年生の頃は、大学の授業、アルバイト、資格勉強の両立が難しく、学習開始から3か月ほどでペースが落ち始めました[0.5~2時間/日]。
この中で最も負荷が高く感じられたのが、自分の意思で手をつけ、継続しなければならない資格勉強でした。通信講座であったこともあり、強制力が弱く、正直なところ、大学の授業やアルバイトを優先してしまっていました。

しかし、大学が冬休みに入り授業がなくなると、やらなければならないという気持ちが強まり、勉強時間を増やしました[9~10時間/日]。
ところが、2年生の授業が始まると再びペースは落ち[0.5~1.5時間/日]、夏休みに入るとまた勉強時間が増える[8~9時間/日]という、波のある学習状況が続きました。

初めて短答式試験を受験したのはその年の12月でした[試験2か月前:3~4時間/日、1か月前:7~8時間/日]。
授業を受け終えたばかりで、問題集の回転も十分にできておらず、結果は合格には程遠いものでした。3年生で受験した5月短答および12月短答も、講義を断片的に受講し、復習が不十分だった影響を引きずり、知識が定着しきれないまま直前期を迎えました。
その結果、詰めきれずにいずれもボーダーラインマイナス1~2%程度で不合格となりました。

自己分析を徹底

ここまでで3回不合格となり、このまま同じことを繰り返していては合格できないと強く感じました。そこで、次の5月短答を「最後の短答式試験」にする覚悟で、自分の学習を根本から見直すことにしました。これまでの取り組みや不足点を徹底的に洗い出し、8月の論文式試験にも合格するつもりで自己分析を行いました。

直近の不合格の原因であった「詰めきれない」という問題を分解すると、次の三点に集約されました。

①理論問題:自信を持って正誤判定できる肢が少ない
→短答肢別問題集のマンネリ化、過去の思考パターンが現在の判断を鈍らせている

②計算問題:「落とせない」とされる問題への対応力不足、時間不足
→財務会計、特に連結会計において、不安定さが残っている

③前提条件:弱点となる箇所(出題されてほしくない箇所)が多すぎる
→そもそも勉強量・勉強時間が不足している

勉強時間の確保

①・②については後述する学習面の工夫に譲り、ここでは③の「勉強量(時間)が足りない」という問題への対応、特に勉強時間の確保について述べます。

まず、大学の授業とのメリハリを明確にしました。3年生までにゼミ以外の必要単位をほぼ取得していたため、4年生で大学の授業を受けるのは週2回程度でした。ゼミでは主に卒業論文を進めていましたが、早めに集中して取り組み、試験直前期と重ならないよう意識しました。これにより、資格勉強とゼミの両立がしやすくなりました。

次に、スマートフォンとの向き合い方を見直しました。SNSのうち、必ずしも必要でないものや動画視聴で時間を浪費しがちなアプリはアンインストールし、必要な場合はブラウザからアクセスするようにしました。操作の工程を増やすことで、無意識の使用を抑える効果があったと思います。また、必要なアプリについてもスクリーンタイムの上限を設定し、各30分/日を目安としました。

最後に、気持ちの持ち方です。
やる気が出ない日も当然ありましたが、「勉強するのが嫌なら、まず椅子に座るだけでもいい」「講義を聞き流すだけでもいい」と考え、勉強を始めるハードルを下げることを意識しました。簡単な行動から始めることで、徐々に集中していけたように思います。

このようにして、勉強を中心とした生活環境を整えていきました。自分なりに、勉強に取り組める「仕組み」と「気持ち」を作ることが重要だと感じています。

マンネリ化の克服と目的意識を持った勉強(学習面の工夫)

短答式試験

上述のとおり、最後まで詰めきれずに終わった回や、わずかな差で不合格となった回が重なりましたが、4度目の受験となる2025年5月短答式試験で合格することができました。

振り返ってみると、この合格に繋がった最大の要因は、特に2回目・3回目の不合格時における原因分析を徹底し、それに対する対応を明確にしたことだったと考えています。ここでは、先ほど挙げた課題①・②について取り組んだことをご紹介します。

具体的には、以下の二点を軸に学習を進めました。

①理論科目において、苦手分野を重点的に攻める姿勢を取ること
②財務会計の計算力、特に連結会計の強化と、直前チェック用ペーパーの作成

理論問題

まず、①の理論問題についてです。

試験の約3か月前から短答肢別問題集に本格的に取り組みました。その際、一度で正解できた問題には目立つ色でチェックを付け、以後の回転対象から外すようにしました。これまでの試験直前期の回転を通じて、すでに長期記憶に定着している問題については、迷いなく判断できると考えたためです。この方法により、回転効率が大きく向上しただけでなく、直前期に本当に苦手な論点のみを集中的に潰すことが可能になりました。一方で、一度で正解できなかった問題については、二度目に正解できた場合であっても回転対象に残し、肢の正誤を理由付けして説明できる状態になるまで繰り返しました。必要に応じてテキストに戻りながら、なぜ正しいのか、なぜ誤りなのかを常に意識し、理由付けを怠らずに取り組むことで、判断の精度を高めていきました。

計算問題

次に、②の計算問題についてです。

財務会計、特に連結会計については、総合問題を毎日解くことをルールとし、「他の受験生が確実に取ってくる問題はすべて正解できる状態」を目指しました。また、数値を反映させた仕訳には丸を付けるなど、自分がミスしやすい箇所を可視化し、ケアレスミスを防ぐ工夫も行いました。さらに、連結会計以外の分野も含め、問題集や答練で頻繁にミスした論点や注意点の簡潔なまとめを作成しました。試験の5日ほど前からは毎日これを確認し、試験直前にも目を通しました。これにより、注意すべきポイントを明確に意識した状態で本試験に臨むことができたと感じています。

論文式試験

論文式試験については、5月短答合格後から本格的に対策を開始したため、十分な時間を確保することはできませんでした。その中で、特に意識していたことをお伝えします。

まず、12月短答後の原因分析と計画の策定段階において、5月短答から8月論文合格を目指す、いわゆる「5→8」を意識し、短答前から可能な範囲で論文対策を進めておく必要があると考えました。具体的には、2月末までを目安に、租税法について法人税だけでも一通り触れておくことを目標とし、講義を受講し、問題集を一周解き終えるところまで進めました。

また、短答試験対策の復習も兼ねて、時間に余裕があるときには、論文対策用の財務会計(理論)・管理会計(理論)・監査論・企業法のダイジェスト講義を受講し、テキストの加工や整理を事前に済ませておきました。

ここからは、5月短答合格後に重点的に取り組んだことについて述べます。常に意識していたのは、「本試験でビハインドを負うリスクのある箇所を、できる限り少なくすること」でした。具体的には、次の三点を軸に対策を進めました。

①租税法および経営学(選択科目)を人並みの水準まで引き上げること
②理論科目において、他の受験生が必ず押さえてくる論点(いわゆるA・B論点)を確実に取れるようにすること
③模試を必ず2回受験し、特に2回目は本試験と同様のスケジュールで受験すること

①については、短答式試験にはない新規科目であるため、他の受験生との差がつきやすい分野だと感じていました。そのため、5月短答後の勉強時間のうち、約半分を租税法と経営学に充てました。結果として、この2科目はいずれも平均点以上を取ることができ、重点的に対策した判断は間違っていなかったと感じています。

②については、限られた時間の中で網羅性を追求することを思い切って捨て、A・B論点に絞った対策を行いました。具体的には、A論点を最も多く回転させ、B論点についてもそれに準ずる回転数を確保しました。論証については、覚えにくい部分のキーワードを自分なりに抽出し、そのキーワードを起点として論証全体を再構成できるかを確認する形で回転させていました。「思い出す」というプロセスで頭を使う深さと回数が、論証暗記の定着において重要なのではないかと考えています。あくまで私個人の方法ではありますが、一つの参考になれば幸いです。

③については、多くの予備校講師の方々も指摘されているとおり、模試を通じて自分の現在地を客観的に把握することが極めて重要だと感じました。「まだ対策しきれていないから」という理由で模試を避けるのではなく、本試験と同じ心構えで受験し、その結果を今後の学習方針に反映させることを意識しました。

以上のように、「5→8」ならではの選択と集中を意識した学習を進めていきました。当然ながら、カバーしきれていない箇所への不安はありましたが、それに意識を向けすぎることなく、取るべきところを確実に取るための行動に集中するよう心がけました。

おわりに

ここまで、生活面と学習面に分けて、私が実際に行ってきた取り組みをご紹介しました。
拙い文章ではありますが、これから会計士試験に挑戦される方や、思うように結果が出ず悩んでいる方にとって、少しでも参考になる部分があれば幸いです。

振り返ってみると、決して順調な受験生活ではありませんでしたが、自分自身と向き合い、周囲の方々に支えられながら、少しずつ軌道修正を重ねることで、最終的に合格に辿り着くことができたのだと思います。

うまくいかない時期があったとしても、その後に巻き返すことは十分に可能です。そのことを忘れずにいることが大切だと感じています。自分が自分を信じなければ、叶うものも叶いません。だからこそ、自分が合格する姿を常にイメージするよう心がけていました。それが難しい時期ももちろんありましたが、そうしたときでも「できる」と自分に言い聞かせながら、前に進むようにしていました。

私自身、いわゆる根性論を唱えるつもりはありませんが、それでもやはり、最後に結果を左右するものはやる気だと思っています。漠然とした不安には行動をもって対処し、明確な不安要素があるならば、すぐに向き合って解消してゆくこと。その繰り返しが、前に進む力に繋がるのだと思います。

自分を騙して、でも、自分を信じて。これから合格に向かって歩みを進める皆さまへ、心よりエールをお送りします。


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