【税理士試験 合格体験記】なせばなる! 33年目の受験で官報合格!


うだ
(税理士法人勤務・50代)

出身地:山形県
受験歴:33年目
合格科目と受験回数:消費税法(2回・1990年)/法人税法(4回・1991年)・所得税法(6回・1998年)・財務諸表論(3回・2016年)/簿記論(22回・2020年)
学習時間:平日・土曜3時間程度(直前期の土曜は6~7時間)
学習スタイル:専門学校(大原)通信

☆ アイコンは、米沢市の直江兼続マスコットキャラクター「かねたん」。8年ほど前、気合を入れるために合格ハチマキをつけました。手に持った朱槍は、同じく米沢市の前田慶次マスコットキャラクター「けーじろー」のもの。私の受験を支えてくれた、ご当地キャラたちです。

目次
初受験は昭和63年
長期戦となった者なりの「合格」の決め手
いつでもどこでも簿記論
財務諸表論はプラスアルファ本で要点整理
税法は“理屈”を理解して暗記
残業しない環境づくり
大切な受験仲間たち
Twitterも長い受験生活の心の支えに
メッセージ

初受験は昭和63年

私は商業高校を卒業後、地元の税理士事務所に就職しました(のちに法人化し現在に至ります)。

なぜ税理士事務所に就職したのかというと、そもそも性格的に、組織人に向いていないと自覚していたので、1人でも独立できる可能性がある税理士業界に魅力を感じたからです。

初受験は昭和63年(1988年)。当時、職歴による受験資格は「税理士補助5年以上」でしたので、就職6年目です。独学での法人税法で、記念受験でした。

そのときから大原の通信講座は知っていましたが、当時の私にとっては受講料が高額で、すぐには手が出ませんでした。大原をはじめて受講したのは、平成元年(1989年)4月の消費税法です。

それから令和2年(2020年)まで、カセットテープ→音声CD→DVD→通学(1年だけ)→Web講義→時間の達人、と学習スタイルも変えていきながらお世話になりました。

33年で結果通知書も大量に。

長期戦となった者なりの「合格」の決め手

受験するからには1年でも早く合格したいと願うのは、皆様に共通することでしょう。

官報まで33年もかかった私のアドバイスが参考になるかどうかの判断は皆様にお任せするとして、たくさん失敗してきたなかで気づいた「合格の決め手」を2つご紹介します。

① “わかったつもりでわかっていない”基本的な箇所をなくすこと

私は、簿記論の「特殊商品販売」や「本支店会計」といった構造論点が苦手で、何年やっても力がつかず苦戦しました。

そんな私が、なぜ今回合格できたのかというと、苦手な論点の基本的な個別問題を何度も反復練習したからです。

しっかり理解するため、ゆっくり解いて、解説をじっくり読む。弱点があれば、解答解説ページに書き込み、付箋をつけて参考書代わりにする。

自分が嫌だと思う論点でも、初心に返って基礎から徹底することが合格につながりました。

また、あまりに細かく難解な論点は気にしすぎず、とにかく基本的な論点の完全理解に努めました。振り返ればこれも「基本的なところで絶対にミスをしない」自信につながったと思います。

② 問題文をよく読むこと

私は、平成9年(1997年)の所得税法で、源泉徴収税額控除「前」と控除「後」を読み誤り、たった1文字が原因で大量失点し、合格を1年遅らせてしまいました。

また、平成26年(2014年)の簿記論でも、売上帳および商品勘定の穴埋め問題が解答困難であることが見抜けず、無駄に時間を使ってしまいました。

極端な話、本試験はいわば「日本語読解力検定」です。こう意識することで、思い込みによるミスを防ぎ、無駄な失点を減らすことができました。

いつでもどこでも簿記論

合格までありえないくらいの年数がかかった簿記論。

前述のとおり、個別問題を粘り強く反復練習したのはもちろんですが、教材や勉強道具にも工夫を施していました。

たとえば、模試や答練では、必ず間違いが生じます。その間違い箇所を切り抜いてノートに貼り、間違いノートとして活用していました。

また、パソコンを買い替える際にOffice365(のちのMicrosoft365)を導入し、Excelで間違いノートを作り、パソコンやタブレットでも確認できるようにしました。

紙のテキストも荷物になるので、PDFにしてOneDriveに保存していました。

その結果、いつでもどこでも間違いノートやテキストを簡単に読めるようになり、本試験にも軽い装備で臨むことができました。

財務諸表論はプラスアルファ本で要点整理

財務諸表論は、理論が抽象的で覚えにくいと感じていました。

税理士試験はどの科目も難解かつ学習量が多いので、基本的には書店に並んでいる参考書や問題集などは見ないようにしていましたが、この科目に限っては、テキストと法規集以外に参考書を買ったほどです。

たとえば、中央経済社の『はじめての会計基準』。これで最低限押さえるべきポイントを頭の中で整理しました。

また、たまたまネット上で見つけた「理論ソングブック」をダウンロードし、自分で歌えるようになるまで常に聴いていました。これは、範囲は限定されているのですが、意外と頭に定着します。「理論ソングブック」で覚えた項目が出題されると、常に自信をもって解答できました。

税法は“理屈”を理解して暗記

税法科目は、とにかく理論を1問でも1行でも多く覚えるよう努めました。私の場合、理論対策が不十分で合格できた年はなかったと記憶しています。

特に所得税法や法人税法はボリュームが膨大ですが、Cランクも無印も分け隔てなく、理論サブノートをまるごと覚えるつもりで暗記しました。

具体的には、1問ごとに、

① 一度書いてみる

② ゆっくり読み上げて(昔なのでカセットテープに)録音する

③ 録音した音声に合わせて、理論を言ってみる

④ 何も見ないで書いて、答え合わせ

という流れを答練期まで繰り返しました。

ちなみに③は、通勤の自家用車で渋滞中にやると、必ず注目を浴びました(笑)。帰宅後や夜の空き時間には、ウォークマンを持って、音声に合わせて唱えていました。

その結果、たとえば所得税法は、Cランクのベタ書きが出題された平成10年(1998年)に合格できました。「暗記できた」という実感がわいたのは本番の数日前でしたが、めげずに続けたのが功を奏したのだと思います。

また、税法科目は計算でも膨大な知識量が必要とされます。そのため、計算対策でも、理論と連動して “理屈で” 解くようにしていました。苦手な項目があれば理論に戻り、理論を思い出しながら練習し、また理論に戻る。この繰り返しのなかで、計算しながら理論も押さえるよう努めました。

また、解答時間を短縮するため、文字をきれいに書くことは諦めていました。ぎりぎり読める程度まで筆記速度を上げる練習をし、答練や模試では、解答可能時間から逆算して「1行あたり所要秒数」まで意識して書くようにしました。

残業しない環境づくり

働きながら合格するためには、学習時間の確保が必須です。

しかし、私の場合、仕事との両立がなかなかうまくいかず、「勉強優先」と割り切って行動できるようになるまで時間がかかりました。これも受験が長期化した原因の1つだと思っています。

私は巡回監査担当で、残業しないような環境を意識して作らないかぎり、学習時間は増えません。

そうは言っても、他のスタッフも私と同等以上の担当件数を任されている状況では、作業を分担することもできない。かと言って、自分で抱え込むわけにもいかない…。

そこで、残業しないような環境づくりとして、お客様の意識改革に取り組みました。お客様に対して、記帳や金額照合を自ら行うことがメリットにつながることを伝え、実践していただくよう徹底的に指導しました。

幸いにも、担当先の皆様はきちんと実践してくださったので、難しい案件やスポットの相続税申告に係る作業なども、就業時間内に取り込むことができ、ほぼ定時で退社できるようになりました。

結果的に、どうやら「残業しないキャラ」の確立に成功したようで、毎日退社する際に、心の中で「17時だ! さあ、今日も頑張るぞ!」と呟いていました(笑)。

大切な受験仲間たち

簿記論で長年苦戦していたところ、8年ほど前に、専門学校が山形で出張講座(簿・財)をするという情報を入手。車で1時間ほどの距離なので、迷わず受講を決意し、1年間 “無遅刻無欠席” でお世話になりました。

この講座での受験仲間は苦労しながらも次々に合格していき、平成29年には私を除く全員が簿・財を卒業。とうとう私1人が落ちこぼれとなってしまいました。

気持ちが激しく落ち込むことが何度もありましたが、仲間たちはそんな私を見捨てるどころか、気にかけ、励まし続けてくれました。おかげで挫折することなく、最後まで勉強を続けることができました。

受験仲間の状況は、すでに5科目合格して独立した者から、税法科目に全力投球中の者まで様々ですが、私にとって、この仲間たちは一生の財産です

全員が合格するまで励まし合い、全員が税理士になった後も、切磋琢磨しながら良好な関係を続けていきたいと心の底から願っています。

Twitterも長い受験生活の心の支えに

勉強を続けるうえでのマイルールは、当たり前の生活パターンを構築し、それを継続することに尽きます。

そこで、日々の勉強記録をTwitterにメモしはじめたところ、SNS上にも合格を目指す方が大勢いらっしゃいました。諸先輩方の勉強のコツを参考にさせていただいたばかりでなく、実際にお会いして交流させていただいたことも、受験生活の励みになりました。

税法科目を勉強していたころは若かったこともあり、勢いで片づけてきた感がありますが、ここまで受験生活が長期化すると、さすがに弱気になることもありました。

リアル受験仲間やSNSの方々の頑張りや励ましが本当にありがたく、この方々がいなかったら、最後まで心強く勉強を続けることができなかったと思います。

メッセージ

こんな私でも、33年におよぶ税理士試験との格闘の末、ついに長い受験生活を終えることができました。

受験生で自分だけが受からないのではないかと思ったことも一度や二度ではありませんでしたが、諦めずに自分と向き合ったことで、また、家族や受験仲間、専門学校の先生方など、関わってくださったすべての皆様に励まされたことで、この合格があります。

最後に、日々胸に刻んできた、私の地元、出羽国米沢藩第9代藩主・上杉鷹山公の遺訓で締めくくらせていただきます。お読みいただきありがとうございました。

「なせば成る なさねば成らぬ 何事も 成らぬは人の なさぬなりけり」


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