【税理士合格体験記】医師志望から企業のドクターを目指して。理論暗記は独自の方法を確立
- 2025/3/19
- 合格体験記

T.M
30歳・会計事務所職員
<学習プロフィール>
合格科目と合格年:令和3年簿記論、令和4年財務諸表論、令和6年消費税法
学習スタイル:資格の大原 通学コース
医師志望から転向
元々は税理士ではなく小学生の頃から医師を目指していました。
ところが、高校生の頃に持病のため通学ができない時期があり、その後何年か浪人して勉強しましたが医学部には入学できず…母の心配もあり、会計系の専門学校に入学し、簿記の勉強を始めました。
医師という仕事に憧れや未練を残しつつも、「税理士は企業ドクター」という言葉を何かの書籍で目にして、それなら自分に向いているかもしれないと思い目指すことを決めました。
入社してからの2年間はお試し期間
とは言っても、そこは国家資格。
難しいと評判の上に、働きながら勉強できるのか?と懐疑的になりながらも現職の会計事務所に就職しました。
1年目は仕事上でも社会人としても覚えることがたくさんあって、入社した年の8月の初めての税理士試験は記念受験でした。
ただ、この時の周囲の空気感で、「やはり勉強しないとダメなのだ」と痛感し、資格の大原に通うことに決めました。
しかし、簿記論・財務諸表論とセットで申し込んでしまい、平日週4日のペースで通学しなくてはならず、また勉強習慣も身に付いていなかったため、通うだけで精一杯になってしまいました。
追い討ちをかけるように、コロナの襲来で資格の大原の通学講座が中止になり、持病のための手術が試験直前にあり、結果2年目も当然のように落ちました。
勉強環境の整備
このままではいけない、1年でも早く合格しなくてはモチベーションがなくなってしまうと思い、勉強法や心構え等が記載されたブログや書籍を読み漁りました。
結論として、意識ではなく環境の問題だと気づき、勉強するための環境を整えることにしました。
具体的には、社会人のための自習室を契約し、仕事が終わってからは帰宅せずに、まっすぐ自習室へ通う習慣をつけました。
1日を振り返ると、家ではダラダラしてしまい、勉強できていないことに気づいたので、家では勉強しないことに決めたのです。
そこからは、よほどの事情がない限り、残業して遅くなっても、大原の授業があった日の授業後にも、毎日通って23時まで勉強しました。
家に帰ってからは歯を磨いてお風呂に入って寝るだけです。
平日はストイックですが、休日は少しのんびり起きたり、早めに切り上げて友人と食事をしたりと気分転換をしていました。
結論として、この「家では勉強しない習慣」がついたことで、自習室を契約した年から数えて4年間で3科目に合格することができました。
具体的な勉強方法
簿記論、財務諸表論
大原から渡された問題だけでもボリュームがすごいですが、巷に溢れるほど問題があるので、とにかくそれをこなしてたくさん解きました。
まずは制限時間内に解いて、その後はマイナス15分を目標に解きました。簿記論は難しい問題が出される時があるので個別問題も解きますが、財務諸表論は総合問題だけ解きました。
財務諸表論の理論は、覚えると言うよりも、その会計基準が何を言っているのか理解することに努めました。
大原に通っていても、勉強の仕方が最後まで掴みどころがなく、本番まで心配していたのですが、計算で安定していたため合格できました。
これから財務諸表論を受験する人には、とにかく計算を頑張ってほしいです。どんな問題でも計算問題は40点は取れるようにしてください。
消費税法
計算は簿財の時と同じように、制限時間内に解けるようになったら、少しでも早く解けるようにしていました。
簿財の時のようにたくさん問題を解きたくて、色々手を付けたのですがこれは失敗でした。
ある学校の問題集に誤植があり、試験直前にとても不安になり、それが影響したかどうかはわかりませんが1年目は落ちてしまったので…
2年目は丁寧に、漆を塗るように問題を解きました。
速さは十分だったため、精度を上げることに努めていました。
間違いも少ないので、間違いノートの作成も時間がかかりませんでした。
それでも大原の順位では上位10%程度だったのですから、上位者のミスの少なさには毎回驚いていました。
理論は、理論サブノートの覚え方から勉強しました。
これも覚える前はあらゆる税法受験者のブログを読み漁り、1つの方法を自分の中で確立させました。
これから受験する人は参考にしてください。
①理論サブノートとポストカードを用意します。
②覚えたいページの理論の条文をポストカードで1行ずつ隠して、空で言えるまで繰り返します(初回は普通に2時間とかかかります)。
③忘却を防ぐためにエビングハウスの忘却曲線のスパンよりも早いスパンで周回します。
初回、(以下、いずれも初回から)1日後、3日後、7日後、14日後…と思い出すのに時間がかかってる感覚があったらもっとスパンを短くします。
④どんどん回すものが溜まっていくように思いますが、初回に覚えたものはもう何周もしているので意外に時間はかかりません。
上記のように、文字に起こすとシンプルなのですが、実際にやり始めると辛くて辛くて泣きたくなります。
やってるのを会社の同僚に見られて心配される程でした。
なかなか思い出せなくて、脳みそが熱くなる感覚があり、じっとして長時間やると辛いので、通勤時間や昼休みを利用して少しでも分割して辛さを感じないようにしていました。
早く自分に合った方法を見つけることが大事
消費税法は1度落ちてしまったものの、自分に合った方法を早いうちに確立できていたので、2年目には必ず合格できる自信がありました。
そして、初めて合格してからの勢いが大切だったと思います。
たくさん勉強できたのは、合格できるイメージがあったからなので、落ち癖を付けないことですね。
何年も落ち続けているのであれば、思い切って環境を変えることをおすすめします。