ボザイ
どうも、ボザイと申します! 今年消費税法を受験し、今は法人税法を勉強している税理士受験生です。
会計人コースWebでは、過去にインタビューに答えさせていただいたこともあるのですが、今回は初の執筆!
ということで少し緊張していますが、よろしくお願いします。
僕は、2020年度の税理士試験で、幸いにも簿記論・財務諸表論に働きながら独学で一発合格できました。
そのときに教材として使っていた本の1つが、タイトルにもある『会計法規集』。
中央経済社が刊行している、会計基準や法令を収録した本です。会計の勉強をしている方なら一度は耳にしたことがあるかもしれませんね。
僕が『会計法規集』を手に取ったのは、インターネット記事で紹介されているのを見たことがきっかけです。
正直なところ、独学だったのでどの教材がよいのかよくわからず、なんとなく購入したのですが、結果としては、かなり有効的に活用できました!
そこで、僕が『会計法規集』をどのように読んで勉強に活かしていたのか、その使い方を紹介したいと思います。
ちなみに僕は、最初は『会計法規集』をそのまま紙の本として読み、受験勉強にiPadを取り入れてからはスキャンしてデータ化したものを読んでいました。
今回は、僕が『会計法規集』を読むときに、注目したポイントや考えていたことについてお話します。
なお、以下で例示する画像は、『会計法規集』をiPadにスキャンしたデータを用いていますが、紙媒体で読む場合でも発想は同じです。
iPadがあると便利な面もありますが、iPadを持っている方だけではなく、『会計法規集』が気になっているすべての方にとって参考になれば嬉しいです。
『会計法規集』で自分の思考を整理する!
『会計法規集』には、“思考のエッセンス”のようなヒントが載っています。
次の図を見てください。
iPadで「GoodNotes」というアプリを使い、『会計法規集』のさまざまなページにある「棚卸資産評価」に関する情報を1ページに集約させました。右にあるピラミッドは、さらにその関係を自分で図解化したものです。
財務諸表論の理論を勉強していると、「主義」という評価原則があり、それを具体的に適用するための「基準」があり、その基準に属する「方法」があり、といったように使い分けがされていることがわかります。
それまで使っていた他の教材では、ここまで言及されておらず、模範解答でも当たり前のように「主義」と「基準」と「方法」が使い分けられていました。
なぜそうなるのか疑問を抱いて『会計法規集』で調べはじめたのが、このページを作ったきっかけですが、このようにまとめてみると、自分の思考も整理されてスッキリしました。
また、正確に記憶することもできました。
『会計法規集』で結論の背景を理解する!
財務諸表論では「なぜその会計基準が制定されたのか」ということが問われます。
会計基準には「結論の背景」というものがあります。
結論の背景とは、どのような検討がされて、その会計基準の制定に至ったのか、ということ。
この「結論の背景」を理解することがとても大事です。
これから学習を始める方にわかりやすく説明すると、
会計基準(会計のルール)
↓
結論の背景(制定の理由など)
という流れで、各論点は構成されています。
次の画像は、「資産除去債務の見積り」についての結論の背景が載っている『会計法規集』のページです。
ところどころマーカーを塗っていますが、僕は
緑 → 結論
オレンジ → 有力な考え方
ピンク → 理由
黄色 → 対抗馬、反対意見
という具合に色分けをしていました。
結論の背景では、しばしば対抗馬が出てきます。
たとえば、リンゴ100個を買うのに
① インターネットで買う
② 近くの八百屋で買う
と2つの意見があるとします。
このとき、①の「インターネットで買う」が採用された場合、採用されなかった②の「近くの八百屋で買う」と比較し、どのような点が優れているから①が採用されたのか、そういった説明が結論の背景ではされています。
財務諸表論では、この対抗馬の存在、優れている理由を理解しておくことがとても重要になってきます。
そのため、僕はこのように色分けをし、結論の背景を整理していました。
ただ、どこが何色になるのか、一度読んだだけで色をバッチリ決めるのも難しいと思います。
そのような場合は、紙で読む方は、フリクションの消せる蛍光ペンで塗ることをオススメします。iPadの場合は、「書いたり消したり」は自由自在なので、こういった心配はなく楽かもしれません。
財務諸表論の理論は「横のつながり」が大事
財務諸表論の理論は横につながっています。
1つの論点が他の論点にも作用していたり、ある1つの考えがいくつもの論点にまたがって影響を及ぼしていたりします。
僕はつまずいた論点などがあれば、iPadを使ってデータ化した『会計法規集』に検索をかけ、他にヒントとなるようなワードや、つながりがないかを確認していました。
たとえば「退職給付」、「資産除去債務」、「減損」、「キャッシュ・フローの見積り」や「乖離するリスク」、「割引率」などは横につながっていますよね。
こうした作業を繰り返すことで、自分のなかで基準が整理されていきました。最終的に、このような財務諸表論の理論体系図を作るまでになったくらいです!
これはわかりづらい部分を中心としたものですが、『会計法規集』がなければ作ることはできませんでした。
ちなみに、紙で読む場合も、インデックスシールや付箋などを使うことで、『会計法規集』を調べることは可能ではないかと思います。
『会計法規集』で理論に強くなる
『会計法規集』でなくとも、専門学校の教材や他の市販の教材で足りるのではないか? そう思う方もいらっしゃるかもしれません。
ただ、『会計法規集』には“すべてを網羅している”という安心感があります。
他の教材には載っていない論点を少し確認しておくだけでも周りの受験生と差がつくと思いますし、何より自信をもって試験に臨めます。
事実、僕は試験当日に何が出ても怖くないほど理論を仕上げることができました。
独学だからこそ、勉強法については人一倍考えたと思っています。
これから勉強を始める方が、この記事を参考に、僕が試行錯誤するなかで通った回り道をたどることなく最短でゴールできることを願っています。
また、普段は勉強の記録や息抜きとしてTwitterやnoteも更新しているので、ご覧いただけたら嬉しいです!
ありがとうございました!
中央経済社編
定価:2,640円(税込)
発行日:2021/07/20
A5判 / 1474頁
ISBN:978-4-502-39301-3
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