統一試験直前アドバイス! 日商簿記3級の問題はどこから解く? 時間配分はどうする?


#たねだぼき
種田 有紀

【編集部より】
11月20日(日)に行われる日商簿記検定統一試験まであと1週間ほどになりました。統一試験を目標に学習を進めてきた人も多いのではないでしょうか。
そこで、先月まで会計人コースWebで連載も担当していた#たねだぼきの種田有紀先生(@tanedaboki_now)に直前アドバイスとして、戦略的な解答手順と時間配分について教えて頂きました。残り時間を有効に活用して、試験に向けてラストスパートをかけましょう!

‟時間内”に合格点が取れるか

試験とは、単純に問題が解けるだけでなく「時間内に合格点が取れるか」ということが、最大の目標です。

そこで今回は、単純に出題された問題を頭から順番に解いていくのではなく、「どのような手順でどれくらい時間をかけ、どれぐらいの点数を目標にして進めていけばいいのか」ということをお伝えします。

まずは「敵を知り己を知れば百戦危うからず」という言葉にあるように、対象とする日商簿記3級がどのような試験であるのかということを簡単にご説明します。

日商簿記3級では、試験時間が60分大問3問が出題され、70点以上の得点で合格できます。

第1問のポイント

第1問は、配点が45点で、仕訳問題15問です。
ここでは、期中取引を中心に期末の決算整理事項や損益振替、資本振替なども含めて幅広く出題されます。試験範囲を満遍なく学習し、どこを問われても仕訳をできるようにしておきましょう。

また、証ひょう書類といわれる取引に関係する書類を読み取らせて仕訳を答える問題が出題されます。テキストや問題集を使って、証ひょう書類から取引を読み取って仕訳ができるように練習しておいてください。

第2問のポイント

第2問は、問1と問2の小問2問で構成されています。配点は20点で勘定記入、補助簿、伝票、理論問題などを中心に出題されます。

勘定記入

勘定記入では、有形固定資産勘定や損益勘定、繰越利益剰余金勘定、期首再振替仕訳を含む収益・費用の経過勘定の転記が問われます。
これらの勘定記入の問題は、まず仕訳ができることが前提になります。
そのため、第一問のときと同様に、まずは試験範囲のどの部分から問われても仕訳ができるようにしておき、それから勘定記入(転記)の理解と解答の練習に努めてください。

補助簿

補助簿では、問題文の取引を読んで記入すべき補助簿の種類を選択させる問題などが問われます。
ここでも、問題文の取引から仕訳を考える必要があります。仕訳で出てきた勘定科目に関連する補助簿を選択して解答します。

伝票

伝票の問題では、単純に三伝票制の記入や読み取りだけでなく、一部現金取引や、仕訳日計表などの問題も問われます。

仕訳日計表を苦手とする受験生も多く見受けられますが、重要度としては伝票から取引を読み取り仕訳がわかること取引から伝票に記入できることを優先して学習しましょう。仕訳日計表はその後でかまいません。

理論問題

理論問題では、基本的な簿記の処理方法や用語が問われます。問題に選択肢が与えられるので、そこから空欄に入る適当な言葉を選んで解答します。簿記の学習を通して身につく知識がほとんどです。対策としては問題集や答練、模擬試験に出てきたものを中心に押さえるようにしましょう。

第3問のポイント

最後の第3問は、配点が35点です。決算整理をへて、精算表、財務諸表、決算整理後残高試算表のいずれかを作成する問題が出題されます。

まず、精算表、財務諸表、決算整理後残高試算表のそれぞれに共通する手順として、決算整理前の金額が与えられて、それに(計算用紙や精算表の修正欄に記入した)決算整理事項の仕訳を集計し、決算整理後の各勘定の金額を求めて解答します。
ここでは、借方と貸方の合計が一致しなくとも、気にし過ぎないようにしましょう。後ほどお話ししますが、試験時間の最後に見直す時間を設けて、その時に確認するので、この時点では一旦そのままにしておきます。

ここでも肝になるのは決算整理仕訳です。テキストの例題や問題集、答練や模試を使って決算整理事項を整理し、早く正確に決算整理仕訳を記入できようにしましょう。

ちなみに、3級の出題範囲となっている決算整理事項は以下の7つです。

  1. 貯蔵品への振替え(収入印紙と郵便切手の未使用分がある場合)
  2. 当座借越(当座預金勘定が貸方残高の場合)
  3. 現金過不足(雑収入または雑損失への振替え)
  4. 売上原価の算定
  5. 貸倒引当金の設定
  6. 減価償却
  7. 経過勘定(前払費用・前払収益・未払費用・未収収益)

上記の7つについて、それぞれどのような仕訳をするのかをすぐに思い出せるよう頭の中で整理しておきましょう。

どこから解く? 時間配分はどうする?

次に、解答の手順と時間配分についてお話します。

解答手順

まず、解答手順については、「第1問→第3問→第2問」の順番で解答することをお勧めします。

第1問(配点45点)と第3問(配点35点)を合計すると配点が80点となります。合格点が70点ということを考慮すると、限られて時間内に効率的に合格点を取るためには優先的に配点の高い第1問を解き、次に第3問、最後に第2問を解くことが得策といえるでしょう。

時間配分

時間配分については、「第1問(15分)→第3問(20~25分)→第2問(15分)→見直し(5~10分)」です。

第1問では、満点を目標に解答してください。現実的には満点を目標にしても、ミスは起こりうるため、その後の問題を考慮するとミスは2問以内に収めるように努めて頂きたいと思います。

第3問は、決算整理を問う総合問題です。ここは、可能であれば9割、現実的には8割程度の得点を目標にしましょう。
そのためには、先ほどお話しした通り、決算整理仕訳と集計の速さと正確さが肝になります。

第2問は、半分程の10点を目標にしましょう。
第2問では受験生が比較的苦手とする勘定記入や補助簿などの問題が出題されます。しかし、配点は20点と他の大問に比べて配点が低いため、第1問と第3問でしっかり得点できれば、第2問は出来る部分の点数をしっかり拾うことで十分合格点を取ることができます。

実際に、第2問を1桁の点数しか得点できなくても、合格する受験生を見ています。第2問で苦手な問題が出題されても諦めずに粘り強く得点をもぎ取っていきましょう。

最後に、見直しの時間を5~10分ほど設けます。
この時間で、飛ばした問題をやってみる、第3問で借方と貸方の合計が合わなかったときには不一致の原因を確認する、記号や金額の記入ミスがないか確認するなどといった仕上げを行います。

以上のように、本試験では工夫して戦略的に解答を行う必要があります。

時間を計って解く練習をしよう!

まずは、本試験形式の模試や答練、予想問題などを使って時間を計って解いてみるようにしましょう。その中で、ご自身にとってベストな戦略があれば、ご自身にとってやりやすい方法で合格まで頑張ってください。

もし、まだ戦略的な解答方法がないのであれば、今回ご紹介した戦略的な解答手順と時間配分を参考にしていただけたら幸いです。

本試験でご自身の実力が最大限に発揮できるよう、ご健闘をお祈り申し上げます。

<執筆者紹介>
種田 有紀(たねだ ゆき)

大学在学中に日商簿記検定1級合格。在学中は大手資格予備校での教室運運営などに従事。卒業後は、会計事務所勤務中にセミナー講師や内部統制の相談、クライアントの経理指導等を経験。その後、商工会議所の教室で日商簿記検定講座や日商PC検定を含むパソコン講座で受講生の学習指導・サポートを経験。現在は株式会社東京リーガルマインドの専任講師として日商簿記検定講座を担当。
Twitter:
種田有紀(@boki_taneda)
#たねだぼき(@tanedaboki_now)

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