加藤大吾
(公認会計士・税理士)
公認会計士試験(短答式)の財務会計論の計算&理論のレベルを想定した○×問題を、2021年5月の本試験まで毎日(月~金)出題!
もちろん税理士試験の簿記論・財務諸表論、日商簿記1級の対策にも使えます。
○×問題
市場価格のないその他有価証券(取得価額1,000円)を1,200円で売却した場合、その他包括利益が200円減少し、損益計算書に投資有価証券売却益200円が計上されることによることを組替調整(リサイクリング)という。なお、税効果は無視する。
解答
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市場価格のないその他有価証券はそもそも時価評価されず、その他有価証券評価差額金が計上されないので、組替調整(リサイクリング)とは関係ない。
根 拠
企業会計基準第25号「包括利益の表示に関する会計基準」
31. 組替調整額は、当期及び過去の期間にその他の包括利益に含まれていた項目が当期純利益に含められた金額に基づいて計算されるが、具体的には次のようになると考えられる。 (1) その他有価証券評価差額金に関する組替調整額は、当期に計上された売却損益及び減損損失等、当期純利益に含められた金額による。 |
ワンポイントアドバイス
その他有価証券評価差額金のように、その他の包括利益に計上される金額が、損益計算書の当期純利益に振り替えられることを組替調整(リサイクリング)といいます。その他の包括利益から当期純利益へ振り替えられる金額は、組替調整の注記として開示します。
〈執筆者紹介〉
加藤 大吾(かとう・だいご)
早稲田大学大学院会計研究科非常勤講師・公認会計士
2003年早稲田大学政治経済学部経済学科卒。2005年公認会計士登録。東京CPA会計学院にて公認会計士講座(簿記)・日商簿記検定講座の講師業務の傍ら、監査法人にて監査業務にも従事。2015年より早稲田大学大学院会計研究科非常勤講師。著書に『税理士試験 簿記論・財務諸表論 総合問題なるほど解法ナビ』(中央経済社)がある。