連載 『会計士・税理士・簿記検定 財務会計のセンスが身につくプチドリル』(第189回)ー 連結会計④


長島 正浩(茨城キリスト教大学教授)

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問題

連結会計基準では,「親会社説」と「経済的単一体説」のうち,どちらの考え方を採っているか?

解答・解説

連結財務諸表が2以上の法的実体からなる企業集団を単一の組織体とみなして,当該企業集団の立場から,その財政状態および経営成績などを総合的に報告するのであれば,経済的単一体説を採用するのが整合的であるが,連結会計基準では基本的には,親会社説の考え方に立っている。これは,連結財務諸表が提供する情報は主として,親会社の投資者を対象とするものであると考えられるとともに,親会社説による処理方法が企業集団の経営を巡る現実感覚により適合すると考えられるからである。しかし,国際的な会計基準が経済的単一体説を採用しているため,連結会計基準でもこれと整合した会計処理の適用範囲が徐々に拡大されてきている。

*連結会計基準51項
『[図表13-2]がわかりやすいので確認しておこう!』(桜井23版,330頁)

◎復習しましょう!
1.CF計算書
2.一株当たり当期純利益
3₋1.金融商品会計①‐⑦
3₋2.金融商品会計⑧‐⑭
3‐3.金融商品会計⑮‐⑳
4-1.棚卸資産会計①‐⑥
4-2. 棚卸資産会計⑦‐⑫
5‐1.収益認識会計①‐⑦
5₋2.収益認識会計⑧-⑫
6.リース会計①‐⑥
7.固定資産の減損①‐⑩
8.ソフトウェア会計①‐⑥
9.研究開発費会計①‐⑦
10.繰延資産①‐⑦
11.退職給付会計①‐⑥
12.資産除去債務①‐⑥
13.税効果会計①‐⑥
14.ストック・オプション会計と役員賞与(報酬)会計①‐⑧
15.自己株式①‐⑦
16.準備金の減少①‐⑥
17.純資産の部の表示①‐⑦
18.株主資本等変動計算書①‐⑤
19-1.企業結合会計①‐⑦
19-2.企業結合会計⑧‐⑫
20.事業分離会計①‐⑤
21-1.連結会計①
21-2.連結会計②
21-3.連結会計③

〈執筆者紹介〉
長島 正浩
(ながしま・まさひろ)
茨城キリスト教大学経営学部教授
東京大学大学院法学政治学研究科修士課程修了。簿記学校講師,会計事務所(監査法人),証券会社勤務を経て,専門学校,短大,大学,大学院において非常勤講師として簿記会計や企業法を担当。その後,松本大学松商短期大学部准教授を経て,現在に至る。この間35年以上にわたり,簿記検定・税理士試験・公認会計士試験の受験指導に関わっている。

*本連載は,『会計人コース』2020年1月号付録『まいにち1問ポケット財表理論』に加筆修正したものです。


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