連載 『会計士・税理士・簿記検定 財務会計のセンスが身につくプチドリル』(第107回)ー 退職給付会計②


長島 正浩(茨城キリスト教大学教授)

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問題

退職給付債務から年金資産の額を控除した額を負債として計上する処理をする理由を述べなさい。

解答・解説

年金資産は退職給付の支払いのためのみに使用されることが制度的に担保されていることから,これを収益獲得のために保有する一般の資産と同様に企業の貸借対照表に計上することには問題があり,かえって,財務諸表の利用者に誤解を与えるおそれがあると考えられるから。

*退職給付会計基準69項
『資産とは報告主体が支配している経済的資源でなければならない』

◎復習しましょう!
1.CF計算書
2.一株当たり当期純利益
3₋1.金融商品会計①‐⑦
3₋2.金融商品会計⑧‐⑭
3‐3.金融商品会計⑮‐⑳
4-1.棚卸資産会計①‐⑥
4-2. 棚卸資産会計⑦‐⑫
5‐1.収益認識会計①‐⑦
5₋2.収益認識会計⑧-⑫
6.リース会計①‐⑥
7.固定資産の減損①‐⑩
8.ソフトウェア会計①‐⑥
9.研究開発費会計①‐⑦
10.繰延資産①‐⑦
第106回 退職給付会計①

〈執筆者紹介〉
長島 正浩
(ながしま・まさひろ)
茨城キリスト教大学経営学部教授
東京大学大学院法学政治学研究科修士課程修了。簿記学校講師,会計事務所(監査法人),証券会社勤務を経て,専門学校,短大,大学,大学院において非常勤講師として簿記会計や企業法を担当。その後,松本大学松商短期大学部准教授を経て,現在に至る。この間35年以上にわたり,簿記検定・税理士試験・公認会計士試験の受験指導に関わっている。

*本連載は,『会計人コース』2020年1月号付録『まいにち1問ポケット財表理論』に加筆修正したものです。


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