【連載】<税理士試験簿記論&財務諸表論> 敏腕講師・かえる先生の独学合格ロードマップ2023(第2回)


諸角 崇順

【編集部から】
会計人コースWebの記事を解析すると、税理士試験・会計士試験ともに独学での学習法についてPV(ページビュー)が非常に多いです。でも、独学の場合「いつ・何を・どう勉強していけばよいか」を自分自身で考えて実行しなければならず、この点が受験生の大きな悩みどころではないでしょうか。
そこで、本連載では、敏腕講師のかえる先生(諸角崇順先生)に、主に独学で税理士試験の簿記論・財務諸表論の学習をスタートする方、もしくは前回の試験までは専門学校を受講していたものの次回は独学で再チャレンジしようという方に向けて、毎月1回、その時々で実践すべき学習内容を提示して合格をナビゲートしていただきます(毎月1日更新予定・23年8月1日まで全11回予定)。
独学の方はもちろん、専門学校の講義を受講している方も是非参考にしていただければと思います。
それでは今月の学習ナビゲーション、スタート!

’22年11月の学習ナビ

みなさま、こんにちは! 先月から始まった、この「独学合格ロードマップ2023」ですが、少しはみなさまのお役に立てているでしょうか?

さて、今回はゴールの確認です。

資格学校に通われている方でも多いのですが、ゴール(本試験問題)を確認せずに、日々、勉強している方が非常に多い気がしています。
ウソのような本当の話ですが、独学の方は資格学校でテストを受けたりしないため、直前期の6月に実施される全国模試の時期になるまで、財務諸表論の理論がレポート用紙のような罫線だけが引かれた紙にただひたすら学術論文のように解答していく、と思われていたりする方もいらっしゃいます。

そこで国税庁から「税理士試験出題のポイント」が公表されたこの時期に、国税庁のホームページで、
①実際の本試験問題と出題のポイントを確認し、
②さらに解答用紙をチェックして解答形式と解答量を、
③試験委員(=作問者)が何を考えて問題を作ったのか、を把握しましょう。

【参考】国税庁ホームページへのリンク
令和4年度(第72回)税理士試験試験問題、答案用紙及び正誤表|国税庁 (nta.go.jp)
令和4年度(第72回)税理士試験出題のポイント|国税庁 (nta.go.jp)

みなさまは税理士受験生としてスタートを切りました。スタート地点という一点だけが決まっても、ゴール地点がわかっていないと思わぬ遠回りをすることにもなりかねません。
国税庁のホームページを見て、ゴール(本試験)までなるべく最短距離で駆け抜けましょう!

【簿記論】わからないところは、その都度、基礎に戻る!

前回書いたように、独学の方は、資格学校から情報が得にくいため、税理士試験の市販本が日商簿記2級レベルを前提に書かれていることを知らずに勉強を開始し、「わからない!わからない!」「わかりにくい本ばかりだ!!」となっている方も少なくないと思います。

税理士試験の学習を開始して、理解しづらい論点にあたった方は、その都度、基礎に戻りましょう。ただ、日商簿記の3級、2級も独学で勉強されてきた方は、いわゆるパターン学習で乗り切ってきた可能性が否めません。
日商簿記2級までであればパターン学習でも合格できるのですが、税理士試験の簿記論のレベルになるとパターン学習は通じなくなります。

税理士試験の学習をしていて躓く論点が出てきたのであれば、YouTubeの無料動画にも素晴らしい日商簿記2級の授業動画がありますので、『先生』から『簿記の基礎』を『理解』させてもらってください(とりあえず独学していて躓いた論点だけで大丈夫です)。
簿記の基礎をパターン学習で乗り切ってきた方は、日商簿記2級の範囲を超えた、いわゆる税理士試験レベルの問題を解く際、全く手が出ないか、解答の丸暗記に逃げてしまうことになるはずなので・・・。

ただ、以前、勤務していた大手資格学校でも、この時期の受講生の質問は半分以上、日商簿記2級の理解不足によるものでした。また、資格学校には、1月開講クラスもあります。慌てる必要はありません。とにかく基礎を大切に!!

上記がクリアーできている方は「簿記一巡の流れ」をしっかり理解するようにしてください。簿記一巡が理解できいないと、将来学習する推定簿記の問題(一部の資料が隠された状態で問題を解いていく問題)で苦労しますし、なにより、簿記の成績が爆発的に伸びることがなくなるからです。

1週間あたりの勉強時間の目安:11時間前後

【財務諸表論(計算)】答えまでの道筋(=解説)を必ず読み込む!

前回の記事から1ヵ月が経過し、科目名や配列順序、表示区分などはしっかりおさえられたと思います。暗記すべきものが暗記し終わった方は、どんどん問題集を解いていきましょう。

そして、そのときに心がけていただきたいのは、問題集を解いたら答え合わせをするとともに、しっかりと解説を読み込んでください、ということです。独学の方は(当たり前ですが)講師から正確な理解を促す授業を受けていないので、答えがあっていても、その答えにたどり着く考え方が間違っている場合が多々あるからです。

正解していた問題については正解していたからこそ解説を読まない方が多く、たまたま答えがあっただけなのに、その論点が理解できたものとして先に進んでしまう。その結果、先の論点で理解できないところが出てきたときに、(基礎期の理解が足りないことが原因なのに)その論点の解説だけを読み、そして、いくら読んでも理解できず、結局、その論点を捨ててしまう、ということになりかねません。

こんな悪循環に陥り、直前期の模試で得点が伸びず、受験そのものを諦める。そして、翌年リベンジを果たそうとがんばるが、なぜ自分の得点力が上がらないのか、その原因がわかっていないため、結局、次の年も受験せずに終わる。こんなことにならないためにも、独学であるからこそ、問題集の解説は一字一句しっかりと目を通しましょう。

1週間あたりの勉強時間の目安:6時間前後

【財務諸表論(理論)】今年の受験生が使っていた内部教材を見てみる!

独学では、「何を」「どこまでやればいいのか」が本当にわかりにくいと思います。そこで可能であれば、資格学校の内部理論教材(できれば合格可能性の高い今年の受験生が使用していたもの)を手に入れてもらいたいと思います。

なぜなら、独学だと市販の理論本で学習されている方が多いはずですが、やはり理論は「理解」が重要です。資格学校に通っていると、理解できない論点があると講師に質問して、違った角度からの説明を受けることで理解が進むことがあるのですが、独学の場合は、講師に質問することができないため、1冊の市販の理論本に頼ると、どうしても理解ができない論点が出てきてしまいます。

そこで、今年の受験生が重要な論点を書き込んだ資格学校の内部教材と併用することで、角度の異なる解説により理解が進むことも多いですし、なによりも安心感が違います。
『資格学校に通っている人と同じ教材』、『(書き込みが多いことで)講師が授業で強調した部分(超重要論点)が明らかになる(もちろん、今年の本試験で出題された部分は多少重要度は下がります)』ことで、不安な独学の方の精神的な支えになってくれます。
新品の市販の理論本だと、重要度がそこまでハッキリしていないので、このやり方は本当にオススメです。

1週間あたりの勉強時間の目安:8時間前後

第3回は12月1日(木)にUP予定です。
ご期待ください!

【連載バックナンバー】
第1回(10月の学習ナビ)
第2回(11月の学習ナビ)

<執筆者紹介>
諸角 崇順
(もろずみ・たかのぶ)
大学3年生の9月から税理士試験の学習を始め、23歳で大手資格学校にて財務諸表論の講師として教壇に立つ。その後、法人税法の講師も兼任。大手資格学校に17年間勤めた後、関西から福岡県へ。さらに、佐賀県唐津市に移住してセミリタイア生活をしていたが、さまざまなご縁に恵まれ、2020年から税理士試験の教育現場に復帰。現在は、質問・採点・添削も基本的に24時間以内の対応を心がける資格学校を個人で運営している。
ホームページ:『かえるの財務諸表論』 (peraichi.com)

【書籍紹介】

『次こそ!税理士試験に合格する方法』(中央経済社)
本記事の執筆者である諸角崇順先生の学習アドバイスをはじめ、合格体験記や独立開業日誌など会計人コースWebの記事に加筆・編集をしてまとめた1冊です。
ぜひご覧ください!

関連記事

ページ上部へ戻る