税理士 はらすけ
【編集部から】
税理士になる選択肢の1つ「大学院ルート」を考えている方にとっては、自分に合った大学院を選ぶポイントは気になるところ。
そこで、ご自身も大学院を修了して税法科目免除を受け、前回大学院のメリット・デメリットをご紹介いただいた税理士“はらすけ”さんに、大学院選びのポイントを教えていただきました。
私は2021年9月、自身が運営するブログで「【2021年全国一覧】税理士試験の税法免除・会計免除が可能な大学院」という記事を作成しました。
この記事を作った理由は、大学院を選ぶ際に重要な要素である「会計科目免除が可能か」「税法科目免除が可能か」「学費」「開講時間」といった情報を一覧できる全国版の資料がなかったからです。
3ヵ月かけて作った甲斐もあり、現在は月間2,000~3,000回も閲覧されています。受験生の大学院に対するニーズの多さを改めて実感しています。
今回は、この記事の作成過程で気づいた点も踏まえ、大学院選びのポイントを解説したいと思います。
大学院進学を決意し、これから大学院探しをされる方は、ぜひ参考にしてください。
自分に合った大学院を選ぶために着目すべきポイント
免除申請が100%通るのか
大学院を選ぶ際に、最も重要なのが「大学院を修了して100%科目免除されるのか」という点です。高い学費を払い、2年間という時間と労力をかけて修士論文を作成しても、肝心の免除申請が通らなかったら泣くに泣けません。
私が通っていた大学院では、税理士試験の科目免除を目指すコースが創設されたばかりでした。ですので、免除実績もなく非常に不安でした。
そんななかで大学院に連絡すると、新しく赴任された教授と直接お話しする機会をいただきました。その教授は元財務省のキャリア官僚で、国税不服審判所長の経験もあるとのこと。
そして、その教授はこう言いました。「私が論文指導をすれば免除申請は100%通ります!」と。一抹の不安もありましたが、その言葉を信じて入学し、論文指導をしてもらった結果、バッチリと免除申請をパスできました。
豊富な免除実績がある大学院なら問題ありません。しかし、私が通っていた大学院のように免除実績がない、もしくは少ない場合は、「100%免除申請が通るのか」は必ず確認していただきたいと思います。
学費はいくらかかるのか
「学費がいくらかかるのか」も大学院を選ぶうえで重要なポイントです。
全国の科目免除大学院をすべて調べてみた結果、修了までの学費は140万円~330万円と、かなり差があることがわかりました。国公立の大学院は約140万円。一方、私立の大学院は160~200万円がボリュームゾーンという印象です。
自分自身の経済状況に照らして、大学院を選んでいただきたいと思います。私が作成した「大学院一覧」は2021年9月時点の情報ですが、入学から修了までにかかるトータルの学費も載せています。よかったら参考にしてください。
開講時間はいつか
社会人の場合、「仕事と大学院を両立できるか」も大学院を選ぶうえで重要なポイントです。そこで着目すべきが「開講時間」。
全国の科目免除大学院を調べてみた結果、「平日夜間」「土曜日」「日曜日」に開講している大学院が多数あることがわかりました。また、全国で1校のみですが「通信制」の大学院もあります。
平日夜間、土日、通信制の大学院であれば、会社を辞めることなく働きながら修了することも可能です。結婚して家庭がある方や、経済的にどうしても仕事を中断できない方でも通える大学院はたくさんあります。
大学院を選ぶ際は、開講時間にも着目していただきたいと思います。
大学院進学を決意した受験生へ
大学院を修了するには、高額な学費が必要ですし、場合によっては会社を辞めなければならない場合もあります。
それを覚悟のうえで、大学院への進学を決意された皆様の「税理士になりたいという熱意」は素晴らしいと思います。
私が作った「大学院一覧」やこの記事が少しでも参考になれば嬉しいです。
最後までお読みいただきありがとうございました。
【執筆者情報】
限りなくブラックに近い中小企業を30歳で退職後、税理士試験の勉強を開始。約6年かけて税理士になる。現在は地方にある会計事務所に勤務中。
運営ブログ:おじ部(社会人が税理士になるためのブログ)
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