連載 『会計士・税理士・簿記検定 財務会計のセンスが身につくプチドリル』(第12回)ー 一株当たり当期純利益⑥


長島 正浩(茨城キリスト教大学教授)

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問題

期首(4/1)における普通株式数500株,期中(7/1)に増資を行い,発行済株式数が800株まで増加した。当期純利益は89,000円であった。さらに期首時点で普通株式400株分のストック・オプション(権利行使価格800円)があり,期末まで権利行使は行われなかった。期中平均株価は1,000円とする。この場合の潜在株式調整後1株当たり当期純利益の算定は?

解答・解説

普通株式の期中平均株式数=500株×91日/365日+800株×274日/365日=725.20株

希薄化効果:400株-800円×400株÷1,000円=400株-320株=80株

潜在株式調整後1株当たり当期純利益=89,000円÷(725.20株+80株)=110.53円

*潜在株式調整後1株当たり当期純利益=(普通株式に係る当期純利益+当期純利益調整額)÷(普通株式の期中平均株式数+普通株式増加数)
 EPS基準21項

◎復習しましょう!
1.CF計算書
第7回 一株当たり当期純利益①
第8回 一株当たり当期純利益②
第9回 一株当たり当期純利益③
第10回 一株当たり当期純利益④
第11回 一株当たり当期純利益⑤

〈執筆者紹介〉
長島 正浩
(ながしま・まさひろ)
茨城キリスト教大学経営学部教授
東京大学大学院法学政治学研究科修士課程修了。簿記学校講師,会計事務所(監査法人),証券会社勤務を経て,専門学校,短大,大学,大学院において非常勤講師として簿記会計や企業法を担当。その後,松本大学松商短期大学部准教授を経て,現在に至る。この間35年以上にわたり,簿記検定・税理士試験・公認会計士試験の受験指導に関わっている。

*本連載は,『会計人コース』2020年1月号付録『まいにち1問ポケット財表理論』に加筆修正したものです。


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