うば としこ(税理士)
経理の仕事をするには、業務の知識はやっぱり必要。
でも、知識はあってもそれだけで成果が上がるわけではありません。
仕事を円滑に進め、成果をあげるためには、業務知識のみならず、ぜひ知っておきたい仕事のコツがあるのです! 本連載では、今週5回にわたり、うばとしこ先生(税理士・人気YouTuber)に経理パーソンがすぐに実践できる仕事術について解説していただきます。
うば先生はYouTubeとかセミナーとか多いですよね。私、いつも「で。何が言いたいの?」って上司に言われるんです。話し方がダメなのかなって・・・。
話しているうちに何だか自分でもわからなくなっちゃう?
そうなんです!!
ちょっと構成を組み立ててから話した方がいいわね。
構成って…?
イラスト担当:ハシケン(コンテアニメ工房/株式会社Create Archives)
うば先生のアドバイス
話がよく理解できない原因は、実は“話し手”の問題!
同じことを聞いても、よく理解できる場合とまったく理解できない場合があります。
「真剣に聞いていなかったのでは?」と言われれば、そうなのかもしれません。
けれども多くの場合、聞き手に問題があるのではなく、話し手に問題があるのではないかと思うのです。
当然ですが、話し手が伝えたいと思っていることが、正確に聞き手に伝われば、コミュニケーションが円滑になるだけでなく、仕事のスピードも早まり、満足度が増します。
満足度が増すことで相手に好意を持ち、また会いたいという気持ちも芽生えるのだと思います。
それに対し、いまいち内容が伝わっていない場合には、誤解や行き違いを引き起こし、相手への不信感が生まれ、トラブルやクレームにつながったりもします。
「聞き手の思考回路」にあわせて話の構成を組み立てる!
私は全国各地でセミナーに登壇したり、YouTubeで税務や経理の情報について情報発信していますが、話の構成で気をつけているのは、「聞き手の思考回路」です。
まずは、何について話すのかが一言でわかるタイトルパート、話の全体像をつかんでもらうための目次パート、本題パートでは難しい単語などを使わないように意識し、どうしても使わざるを得ない難解な言葉があれば、例え話や仮説でわかりやすくします。最後に話を振り返るまとめパートです。
タイトルパート :何について話すかを一言で。インパクトのある単語を使う。
↓
目次パート :全体像をつかんでもらう。どの部分を注意深く聞いてほしいかをあらかじめ伝える。
↓
本題パート :難解な単語の解説は、例え話や仮説にもとづいた事例をおりまぜる。
↓
まとめパート :何について話したか。その時使ったビビッドワードで記憶を蘇らせる。
もちろん、多くの聴衆に向けた話し方と、一対一の対話では異なる部分もありますが、土台となるのは、聞き手に話をもってかえってもらうために話すという心構えです。
「私は言いましたよね?」、「あの時伝えたんですけど…?」、「資料に記載してありますよ」といった突き放すようなコミュニケーションでは、相手を萎縮させてしまい、あまり良い方向には向かいません。
<著者紹介>
伯母 敏子(うば としこ)
税理士。大学卒業後、大手リース会社の営業職、税理士事務所への転職、結婚、出産を経て、2016年4月に税理士登録、2017年11月に独立開業。主に法人税務顧問のほか個人事業主を対象とした経理サポートのオンラインサロン「ゆるふわ経理部」を主宰。YouTube「ゆるふわチャンネル」を機に全国各地でセミナー講師を担当。各種媒体への執筆も積極的に行う。
◎以下、ぜひご覧ください!
事務所HP
ブログ
YouTube
Twitter
●バックナンバー
第1回 はじめて経理の仕事をする際の心得
第2回 税理士試験の勉強や実務の知識は小学生に教えるつもりでインプット!
第3回“ミスゼロ付箋ノート”の作り方